速報! 辛坊治郎さん、大阪に到着/往復での太平洋横断達成

2021.08.24

8月24日(火曜)9時19分、辛坊治郎さんがアメリカ・サンディエゴからの航海を終え、ホームポートの大阪・淡輪(たんのわ)ヨットハーバーに到着した。サンディエゴを出航してから63日目、往路の太平洋横断に出航してからは、実に約4カ月間の船上生活を終え、再び淡輪に戻ってきたことになる。

 

今朝の周辺の海域は、強い南風の吹くコンディション。紀伊半島と淡路島の間の加太瀬戸を通過するころには、風速は30ノット近くまで吹き上がっていたが、2度の太平洋横断を終えた辛坊さんにとっては、並みの風といったところか。われわれ取材班が乗ったボートと海上で遭遇した際には、元気な表情を見せてくれた。慣れ親しんだ海域に帰ってきた辛坊さん、4カ月の航海をかみしめるかのように走っている姿が印象的だった。

 


photo by Ken Ando

 

無事に桟橋に舫いをとった辛坊さんの第一声は「皆さん、ありがとうございましたあ!」。その後も何度も何度もありがとうを繰り返し、感謝の言葉を口にする。

 

「もう、ほんとヘロヘロ。45年ヨットに乗ってきて、健常者(辛坊さん)でもこれだけしんどいんだから、やっぱり目の見えない岩本光弘さん(前回のチャレンジのパートナーだった)が、ヨットは素人のダグラス・スミスさんと二人で太平洋を渡ったことが、いかにとてつもないかことなのかと、つくづく感じました。健常者の私でさえ、毎日が生きるか死ぬか。もう一回、あのチャレンジ(岩本さんとダグラスさんの太平洋横断)に注目が集まるといいなと思います。」

さらに、

「帰りの航海は、精神的にきつかった。行きの航海は、初めて太平洋を渡るんだという目的があるわけじゃないですか。だから頑張れた。でも、帰りは船を運んでくるだけじゃないですか。これが本当にきつかった」

と話していると、こみ上げる涙をぬぐう場面も。

「もうちょっと淡々としゃべるつもりだったんですけど、やっぱりダメですね。着くだろうとは思ってたけど、ほんとに着くか自信なくて・・・」

とはいえ、往復の太平洋横断を1人で成し遂げたのは、強い精神力あってのことだろう。

 

ただ、「辛坊さん、勝負に勝ちましたね」という言葉には、即座に反応した。

「はっきり言います。無謀です! おすすめしません! いやきつかったわ~。最初の1カ月くらいは、海の上でできないことだらけ。本当に無謀でした」

いま一番食べたいものは「コンビニの助六寿司」とのこと。一方、いま一番やりたいことはという質問には「ヨットの整備」と答えるあたりに、本物の外洋セーラーらしさを垣間見ることができたように思う。

辛坊さんへの独占インタビューは、後日、「舵オンライン」と月刊『Kazi』に詳しく掲載する予定です。

 

(文=舵社/安藤 健 写真=Kazi編集部/中島 淳)

 

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※辛坊さんの航海についての詳しい記事は、毎月5日発売の月刊『Kazi』5~9月号に掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。

 

辛坊治郎さんの太平洋横断チャレンジを応援しよう!
古野電気の特設ウェブサイト

https://www.furuno.com/special/jp/shinbo-challenge/

 


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