全日本スナイプ級選手権大会2日目となる11月13日。レースはこの日から始まるのだが、昨日の天気予報どおり朝から無風に近い微風で午前中はD旗が揚がらず、選手たちはハーバーで待機。ようやく北寄りの風が吹き始めた正午過ぎ、ようやくハーバーのポールにD旗が掲揚され、各レース艇は一斉に海面に出航。
その後、風速は徐々に高まり、スタートする頃にはフルハイクに近い中風となったものの、はやる気持ちを抑えられないのか選手たちはゼネラルリコールを繰り返し、13:33にようやくスタート! コースは上~下のソーセージコースを2周するW2。
第1マークは、同志社大学OBコンビの吉岡 卓/山梨雄基がトップ回航、続いてエス・ピー・ネットワークの渡邊哲雄/齋藤浩二、地元和歌山出身で今春日大を卒業したばかりの矢野伸一郎/吉永 温の順に回航。一時はブローでメインシートを緩めるほどに風速が上がったのだが、2回目のアップウインドレグの中盤あたりから風速が落ち始めてガスティーなコンディションとなったため、大きく順位が入れ替わる展開に。
前年チャンピオンの大井祐一/酒井則彰は、第1マークをシングル後半で回航したにもかかわらず、第2マークでは60位あたりまで急降下。他にも有力チームが大きく順位を落としていく中、吉岡艇をはじめとしたトップグループは後続を引き離して独走状態。
「スタートは真ん中あたりから少し頭を出すくらいで、その後は他艇はまったく意識せずに、ブローとシフトを丹念に拾っていくコース取りをしました」というのはクルーの山梨選手。
「今日の風は、ちょうど琵琶湖の南風の感じに似てたので、琵琶湖育ちのボクらにとっては比較的コースは引きやすかった」というのは京都西高校~同志社大学と、琵琶湖で育った吉岡選手。
第1レースの後も風は安定せず、2回レースがキャンセルされたため、この日は1レースのみの成立で終了。天気予報では、明日はもう少し強い風が吹く予定。
■第73回全日本スナイプ級ヨット選手権大会
2020.11.12~15
和歌山セーリングセンター
1レースだけ行われた第1レースで、第1上マークからフィニッシュまでトップを守りきったのは、ベテランヘルムスマンの吉岡 卓/山梨雄基。
2番手で下マークにアプローチする渡邊哲雄/齋藤浩二。トップの吉岡艇とは反対の左側のゲートマークを選択する勝負に出たが、順位は変わらなかった。
レース勘を取り戻すため全日本スナイプに初出場した、レーザーラジアル級東京五輪日本代表の土居愛実選手。江の島スナイプを2位で通過してのクオリファイ。
今年結婚したばかりの近藤康史/近藤広佳は夫婦コンビで全日本初チャレンジ。クルーはFXでオリンピックキャンペーンを張っていた旧姓・板倉選手。
毎朝行われるスキッパーズミーティングは、感染対策のためZOOMを利用したオンラインで実施された。
正午過ぎにD旗が掲揚され、レース艇は一斉に海面に出て行った。
(文・写真=松本和久)
■暫定成績(レース1日目終了時点)