日本各地にある海峡や運河などを巡る、『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。第7回は、『ボート倶楽部』2019年10月号に掲載された、岩手県盛岡市・北上川を取り上げる。
※本記事の取材は2019年7月に実施しました。
古くより城下町として栄えた岩手県盛岡市。この町を流れる北上川を舞台に、世界一の川下り大会が行われている。「盛岡・北上川ゴムボート川下り大会」は過去に、出場する艇の数が世界一となりギネス記録に認定された。43回目を迎える今年(2019年)は、642艇のインフレータブルボートが出場。真夏の風物詩として、盛岡を熱く盛り上げた。
この大会に出場できるのは、2人1組で乗る、いわゆるゴムボートだけ。カヤックタイプやラフティングボートでは出場できない。大会独自のルールにのっとった川下り用のインフレータブルボートが各社から発売されるほど、人気の大会となっている。50組ずつ10分間隔でスタートし、いかに早くゴールまでたどり着くかを競う。約8キロのコースには岩場や急流地点もあり、そこをうまく抜ける技術力や、最後まで漕ぎ続ける体力が求められる。
落水する人も続出するこの大会だが、みな笑顔なのが印象的だった。総合優勝以外にも、男女ペアや女性ペア、親子ペア部門でそれぞれ表彰があり、各部門の優勝賞品にはインフレータブルボートが用意されているのも人気の理由だろう。
(トップ写真説明)
スタート地点の四十四田(しじゅうしだ)ダムに、カラフルなインフレータブルボートがずらりと並んだ。持ち込んだマイボートやレンタルボートは、写真奥のスペースで空気を入れてから出艇する
スタートの合図とともに、各艇一斉に漕ぎ出す。このあたりは流れがほとんどないので、周囲のボートに当たらないように漕ぐ技術も必要。
スタートしてすぐの四十四田橋から撮影。橋の下には白い波が見える急流ゾーンがある。
北大橋の上では、参加している選手に手を振って応援している人が大勢いた。このあたりを過ぎるとゴールまで自力で漕ぎ続けないとならない。
最大難所の北フォールでは流れも速く、落水する人も多い。岩場もあるため乗り揚げてしまう人もいる。こんな場面でも出場している人のほとんどが笑顔だった。
(文・写真=舵社/山岸重彦)
※本記事は、『BoatCLUB』2019年10月号に掲載された記事を一部抜粋したものです。最新刊およびバックナンバーもぜひご覧ください。なお、この記事の情報は、誌面掲載当時のものです。
6月1日からエントリー開始!
第45回 盛岡・北上川ゴムボート川下り大会
本大会は今年(2021年)は第45回を数え、7月25日(日)に開催が予定されている。
昨年(第44回)は、残念ながら中止を余儀なくされたが、今年は「がんばろう日本!がんばろう岩手!」を合言葉に、新型コロナウイルス感染症対策を施すなどして、開催する方向で進められている。
参加の申し込みは6月1日(火)からスタートし、締め切りは7月2日(金)。レンタルボート(先着100名/有料)も用意されているのがうれしい限り。我こそはと思う方、ぜひ参加してみてはいかだろうか。詳細は大会公式サイトをご覧いただきたい。
(文=舵オンライン編集部)
●公式サイト
http://www.kawakudari-morioka.jp/
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