日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する
第34回は、『ボート倶楽部』2021年11月号に掲載された、山口県下関市から見た関門海峡の風景をお届けします。
【水路を航く】#34/山口県・下関市
本州の最西端 “ふく”が集まる下関
九州最北端の北九州市門司と本州最西端の山口県下関の間に位置する関門海峡は、日本海と瀬戸内海、そして太平洋をつなぐ海路の要所。昼夜途切れることなくタンカーなどの大型船や漁船、プレジャーボートが頻繁に航行していく。
山口県下関市では、地元の名産品であるフグを「ふく」と呼ぶ。水を吹き出すことや、おなかを膨らませるフグの習性と「福」をかけている。幸せがやってくるようでいい名前だ。
関門海峡に面した唐戸市場には、フグはもちろんのこと、その日に水揚げされた新鮮な魚介類が並ぶ。卸売りだけでなく小売りも行っているため、多くの観光客も訪れる人気の場所だ。
また、近隣には水族館、展望タワーなどがあり、人気の観光スポットとしての顔も併せ持つ。
(トップ画像説明)
下関のシンボルタワー、海峡ゆめタワーからの景色。143メートルの高さからは対岸の門司港周辺や唐戸エリアに立つ水族館や唐戸市場、巌流島なども見ることができる
唐戸市場の場内。夜明け前からすでに仲買人が買い付けに来ていた。食堂が並ぶ2階から場内が見渡せる。週末には海鮮屋台が立ち並び、観光客でにぎわう
潮流の激しい関門海峡で、のんびりとイトをたらす釣り人。関門橋を望みながら優雅な時間を過ごしているように見えた
唐戸市場の前には、大きなフグと、袋の中に手を入れて値段を入札する競りの様子を表現した像が立っている
朝日が昇る前の関門橋。青紫の雲の間に薄紅色の光が差していた。この時間でも多くのフネが航行していた
海峡沿いに立つマンションの1 階にある駐車スペース越しに見た景色。まるで関門海峡を航行するフネが額縁に入っているようだった
(文・写真=舵社/山岸重彦)
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