明治から令和へ。長きにわたり木津川下流域で市民の暮らしを支え続ける四つの渡船たち

2026.05.22

【水路を航く】#65/舟運盛んな下町の日常に寄り添い、今日も渡船は走る
~大阪府大阪市 大正区、浪速区、西成区、住之江区・木津川編~

三重県と京都府をまたいで流れる木津川は、京都と大阪の府境付近で淀川へと合流する。 その後大阪市南西部で淀川と分かれ、土佐堀川を経由し再び木津川となって大阪湾へと流れ込む。
流域南部においては、川沿いに工場や倉庫、造船所などが立ち並び、舟運が盛んに行われている。
そのため架橋が困難で、古くは明治の時代から住民の足として市営の渡船が運航されてきた。
料金は無料で、誰もが気軽に利用できる。
下町でけなげに働く木津川の渡船たちから見えてくるのは人間の営み、日々の暮らし。
大阪の町の景色を水上から切り取る、小さな船旅に出かけてみた。

 

(トップ画像説明)
落合上渡船
市民の足として日常に溶け込む大阪市内の渡し船。自転車とともに乗り込む人がほとんどだ。平日、利用者が最も多い時間帯は10分間隔で運行している

 

◆日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『BoatCLUB』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。

◆第64回は、『BoatCLUB』2024年6月号に掲載された、大阪市の日常に溶け込む渡船の風景をお届けする。
(※本記事の取材は2024年の3月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)


 

千本松渡船
木津川の川尻に近い、大正区南恩加島と西成区南津守を結ぶ千本松渡船。昭和48 年(1973 年)に“めがね橋”の愛称で親しまれる千本松大橋が架橋され たため、一度は廃止の決定が下された航路だが、住民の強い要望により存続となり今に至っている

 

落合下渡船
川を利用してさまざまな物資を運搬することが可能であるため、このエリアの川沿いには数多くの工場が立ち並び、当然、“働くフネたち”の出番も非常に多い。幅138メートルと決して広くはない水路をさまざまな業務船が迷いなく航行していく姿は、ある種不思議な迫力に満ちていた

 

 

木津川渡船
大阪南港付近にある木津川渡船。両側がらせん状になっている千本松大橋の愛称が“めがね橋”であるのに対し、片側だけの木津川橋は“片めがね橋”と呼ばれている(上)。
付近にはかつて国内最大規模の年間旅客数1万人を数えた木津川飛行場(大阪飛行場)があった(下)

 

 

周辺には工場で働く人たちの胃袋を支える飲食店も。こちらは、夜は居酒屋、昼はご飯とみそ汁がおかわり無料で人気の定食屋さん「まるに」。下の写真は取材時にいただいた「サンマ開きとだし巻定食」
■ まるに TEL:06-6552-0745

 

(文・写真=山岸重彦/舵社) 

 

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