フランス時間の11月10日(日)13:02(日本時間21:02)にスタートする、単独無寄港無補給世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ(Vendée Globe)」。日本からはDMG MORIセーリングチームの白石康次郎さんが、〈DMG MORI Global One〉(IMOCA60)で出場する。
ファンの「コージロー!」の声に応える白石康次郎さん
1989年に始まり、今大会で10回目の記念すべきスタートを切るヴァンデ・グローブ。過去最多40人のセーラーが、11月10日(日)にフランス西部のレ・サーブル=ドロンヌをスタートする。艇団は大西洋を南下し、喜望峰、ルーウィン岬、ケープホーンの三つの岬を越え、再び大西洋へ。理論上の総距離は24,300マイルで、実質は約28,000マイルほどを走る計算だ。
スタート4日前の6日に、チームクルーと船の最終準備をする白石さんに話を聞いた。「100%準備万端というのは難しいですが、コロナ禍で大変だった前回大会(2020~2021年)に比べると、格段にいい準備ができています。食料は85日分を積んでいて、一応それ以上もつ計算です。80日を切ることができたらいいなと思っています。特に緊張とかはなく、落ち着いていますよ」と白石さん。
DMG MORIセーリングアカデミーの研修生のひとり、國米 創(こくまい・はじめ)さん
日本のアカデミーのコーチを務める鈴木晶友(まさとも)さんも、IMOCA60の準備を手伝う
桟橋の入場列は非常に長く、1時間待ちは当たり前のよう
連日、オロナ港のレースビレッジには家族連れや小中学生など、老若男女さまざまな人々が訪れている。6日にはヴァンデ・グローブを創設したフィリップ・ジャント(Philippe Jeantot)が白石さんの元を訪ね、故 多田雄幸(ゆうこう)さん(白石さんの師匠でもある外洋ソロセーラー)の思い出話などに花を咲かせた。
いよいよ自身3度目のヴァンデ・グローブのスタートを迎える白石さん。10日のスタート時は穏やかな海況になりそうだ。
〈DMG MORI Global One〉を訪ねたフィリップ・ジャント。「とにかく一度フォイリングしてみたい」と、最新のIMOCA60でのセーリングを非常に楽しみにしているという
桟橋ではサインを求めるファンが列をなしている。選手も常に自艇にいるわけではないので、サインをゲットできるかは運次第。子どもたちも目を輝かせながら、白石さんにサインをもらっていた
Vendée Globe 10th Edition
●スタート:11月10日(日)13:02(日本時間21:02)、レ・サーブル=ドロンヌ(フランス)
●選手数:40
●国籍:フランス、イギリス、スイス、ドイツ、イタリア、アメリカ、中国、ニュージーランド、日本
※アメリカとニュージーランド、フランスとドイツの二重国籍を含む
●男女比:男性34人、女性6人
●年齢:最年長65歳(ジャン・ル・カム Jean Le Cam)、最年少23歳(ヴィオレット・ドランジェ Violette Dorange)、平均42.7歳
●大会レコード:第8回大会(2016~2017年)の74日3時間35分46秒
優勝者の記録を示す横断幕
(文・写真=森口史奈/Kazi編集部)
●公式サイト
https://www.vendeeglobe.org/en