古宇(こう)ヨットクラブの白根英路会長のチーム〈WOODPECK V〉(ベネトウ・ファースト40.7)が、沼津市古宇浦(静岡県)から、小笠原諸島父島を目指すという! そのチャレンジに、月刊Kazi編集部中村剛司(副編集長)が同乗させていただいた。
出航は5月29日16時。黒潮を避け、孀婦岩(そうふいわ)に立ち寄る、ラムライン540マイルの航程である。実走距離は600マイル。
古宇ヨットクラブは、『夫婦で世界一周 夢丸物語――定年後にヨットで出発!』(エイ文庫)の著者、故 澤 茂夫さんのホームである。その澤さんいわく「八丈島を過ぎればあとは南国」の言葉を信じ、出航した〈WOODPECK V〉のメンバーは、白根英路さん(オーナー/キャプテン)、伏見利明さん、久保 純さん、竹内裕一郎さん、小野 新さん、中村の6人。
実際は……。駿河湾は40ktの爆風、伊豆半島を抜けてからも大波は続き、小笠原諸島にまさかの梅雨前線が停滞。つねに前線とともに走る、苦行のレグとなった。
しかし、楽しかったこともたくさん(笑)。
それぞれの思いを胸に、憧れの孀婦岩と小笠原を目指した。
(トップ写真=Kazi編集部/中村剛司:強風のなか舵を取る白根英路オーナー)
西伊豆の北方、沼津市の古宇浦、古宇ヨットクラブ桟橋を出港する〈WOODPECK V〉(ベネトウ・ファースト40.7)。540マイルの航路に旅立ちます
古宇ヨットクラブのメンバーに見送られる〈WOODPECK V〉。世界一周を果たした故 澤 茂夫さんをはじめ、多くの外洋セーラーをこの桟橋から送り出す
出航直後はなんと40ktオーバー! 当然写真は撮影できていません。これは一夜明けて落ち着いたところ。竹内さんがのんびりワッチ
三宅島手前のナブラを見て伏見さんが竿を出すと……、カツオをゲット!
伏見さんが釣ったカツオを小野さんが調理。カツオのタタキ丼を、ささっとつくります
ある日の夕焼け。波が落ち着いたので給油。往復610リットルの軽油を搭載し、往路は200リットルを消費した
夜中のワッチ。白根オーナーが漆黒の海を走る
ついに孀婦岩が見えてきた! 東京から南へ350マイルに突如出現する高さ99mの奇岩。小笠原諸島を目指すには少しだけ遠回りしなければならない孀婦岩。今回、白根オーナーが最もこだわったポイントだ
孀婦岩をクロックワイズで1周する〈WOODPECK V〉。感動の瞬間
残りはおよそ180マイル超。ここからパールレースが始まる感じ(笑)
がんばった夜はカレーライス! トマトとチーズを乗せて
とにかく強風と雨が多かった今回の航海。ラストはきれいな虹が出迎えてくれました
6月2日、07:30。小笠原諸島父島、二見港に到着!
6月8日、18:50現在、復路のプロッター図
本稿を書いている6月8日19時現在、〈WOODPECK V〉は復路に出発し、鳥島を抜け、青ヶ島を目指して航行中である。
その詳細は、オケラネットのホームページで定時報告を確認できる。
この大冒険については、Kazi誌9月号(8/5発売)にて詳細なレポートを掲載予定。 さらに、海ガールの矢口あやはさんが、貨客船〈おがさわら丸〉で先行し、〈WOODPECK V〉をお出迎え! 楽しい父島レポートは、10月号以降で掲載予定です。
(文・写真=Kazi編集部/中村剛司)
※関連記事は月刊『Kazi』2021年9月号~11月号にも掲載予定。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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