Xヨットがレースシーンに帰ってくる!|XR41がデビュー

2024.09.01

高級パフォーマンス・セーリングクルーザーを中心にラインアップするデンマークのXヨット(X Yachts)から、待望のニューモデル「XR41」がリリースされた。近年はクルージング向けモデルを中心にラインアップを展開してきたなかで、ひさびさにレースシーンをターゲットとしたモデルの登場ということで大変な注目を集めている。

XヨットのCEOであるブリンク・ニールセンは、「レースシーンに戻ってくることができて、とてもうれしいです。Xヨットはハンドメイドのパフォーマンスクルーザーを建造することで有名ですが、もともと私たちのブランドはトップレベルのレースでの数々の勝利によって築かれたものです」と語っている。

 

このXR 41は、ワンデザインクラスを視野に入れてプロジェクトが進められたものだ。Xヨットでは、過去にX35などワンデザインクラスとして成功を収めたモデルも少なくない。

今回のモデルにおける注目は、レーティング・パラメーターを変更するという、まったく新しいアプローチが考案されている点。リリース後も継続的に開発が続けられ、毎年のアップグレードがすべてのオーナーに提供され、その改造はXヨットのヤードで対応するという。

もっともレーティングの面はさておき、XR41はそれ自体が速いレーシングボートであり、幅広いレースフォーマットでの競争力を期待させる。

 

Xヨットに限らず、デンマークの造船所の多くには、設計から建造までのすべてを自社で完結させるという長い伝統がある。しかし、今回は外部の専門家を加えてチームを強化する必要があった。「ORCだけでなく、世界で2番目に多く使用されているIRCに最適化する際には、可能な限り最高の知識を活用できるようにしたかったのです」と、CEOのブリンク・ニールセンは話す。

設計チームには、レーティング最適化の豊富な経験を持つCFDの専門家、キャスパー・ニールセンを擁するC-Performanceが加入。さらに、レーティングの第一人者でありデータ収集家でもある、マックス・グルゲルを擁するVmax Yachtingも参画した。

また、ハビエル・ジャウデネスを擁するSurge Projectsは、特にデッキレイアウトとインテリアの部分で連携。さらに、バウアー・ベッキン、ジャスパー・ラディッチらプロのトップレーサーも参加し、乗り手目線での実践的な経験を共有した。リグとセールについては、ノースセール・インターナショナルがリソースを提供している。

 

一方、Xヨットでは、再販価値を含めて、ボートの将来を長く保証することを重要視している。同社は何十年も使えるボートを造ることで知られているが、XR41はレーサーとしてだけでなく、スポーティーなクルージングも楽しめるように設計されている。これに対応するため、インテリアの一部はモジュール化されており、レース時には取り外し、クルージング時には再び取り付けられるような仕様になっている。

 

「私たちは、このボートをゲームチェンジャーだと考えています」とブリンク・ニールセンは言う。

XR41は、2025年1月に開催されるデュッセルドルフ・ボートショー(ドイツ)で正式に発表される。

 

(文=舵社/安藤 健 画像提供=X Yachts)

 


【SPEC】
●全長:14.58m(バウスプリットを含む)
●ハル長:12.75m
●水船長:11.71m
●全幅:4.18m
●喫水:2.4m(ORCレースキール仕様の場合)
●排水量:7,150kg
●バラスト重量:2,650kg
●燃料タンク:115L
●清水タンク:205L
●セール面積:メイン59.1㎡、100%ジェノア49.3㎡、非対称スピネーカー180㎡
●エンジン:30馬力

(問い合わせ)
Xヨット日本総代理店
エンマリンワークス
TEL: 046-845-6133
E-mail: info@enmarine.com
https://www.enmarine.com/
インスタグラム: https://www.instagram.com/enmarineworks/

 


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