国際ドラゴン級(以下、ドラゴン級)といえば、なんといっても、その美しい船体が魅力のキールボート。かつて、1948年(ロンドン)~1972年(ミュンヘン)の間には、オリンピック種目にも採用されていたという歴史を持っている。
まさに「クラシックヨット」という言葉がぴったりのクラスだが、現在もヨーロッパを中心に人気が高い。そして、王室にも愛好家が多いということも、ドラゴン級ならではのものといえるだろう。
さて、そんなドラゴン級の現代における最高峰ともいえる大会が、今年8月20日~26日にベルギーのオーステンデで開催される「YANMAR Dragon Gold Cup 2022(ヤンマー・ドラゴン・ゴールドカップ 2022)」。大会名からもわかるように、このイベントのメインスポンサーを務めているのが、日本のセーリングファンにもおなじみのヤンマーホールディングス株式会社(本社:大阪府大阪市)だ。
ドラゴン級は90年の歴史を持つ由緒あるクラスだが、ヤンマーでは、2019年からこのイベントへの協賛を行っている。2020年は残念ながらコロナウイルス禍により中止となったが、2021年には再び大会が再開されている。
ドラゴン・ゴールドカップは、1937年に英国のクライド・ヨットクラブ(Clyde Yacht Club)が、ヨットレースを通しての国同士の交流を意図して開催したのが始まり。その後、ドラゴン級における主要な大会の一つとなり、今日まで続いている。
2022年大会は、ベルギーのドラゴン協会のホームヨットクラブである「ロイヤル・ノース・シー・ヨットクラブ・オーステンド(Royal North Sea Yacht Club Oostend)」の主催で開催される。そして、今回この大会に出場する日本人セーラーがいることにも注目したい。
ヤンマーホールディングスでは、事業に関わりの深い海の領域での活動の一つとして、さまざまなマリンスポーツに対して積極的に支援活動を行っている。その一つが、自社セーリングチーム「ヤンマーレーシング(YANMAR Racing)」の展開で、2018年からドラゴン級を舞台に活動している。そのヤンマーレーシングが、本大会にも参加する。
スキッパーは、アメリカズカップに挑戦したニッポンチャレンジでもおなじみのピーター・ギルモア(右)。世界のマッチレースシーンで長く活躍してきた、大物中の大物だ。
チームディレクターを務めるのが、谷路泰博。いわずもがな、ニッポンチャレンジでのシンジケート以来、ギルモアの懐刀として世界のセーリングシーンで活躍してきた、日本が誇るトップセーラーである。
そしてもう一人のクルーが、ピーター・ギルモアの息子でもあるサム・ギルモア(中央)。ワールド・マッチレース・シリーズでも活躍中の二世セーラーだ。
今回のゴールドカップには、この3人のメンバーで参加、歴史あるクラスでの活躍が期待される。公式ページなどで、その戦況を随時見守っていきたい。
(文=舵社/安藤 健 写真提供=ヤンマーホールディングス株式会社)
●YANMAR Dragon Gold Cup 2022
https://www.goldcup2022.com/
●ヤンマーホールディングス株式会社について
https://www.yanmar.com/jp/about/
2019年のYANMAR Dragon Gold Cup(オランダ・メデンブリック)の動画はコチラ↑↑
あわせて読みたい!
●8/5発売、月刊『Kazi』9月号/特集は「ヨットレースを楽しんで勝つ!」