アメリカ・ロードアイランド州ニューポートで、3年ぶりとなるグローバルチームレースレガッタが、7月21〜24日にかけて開催された。1チーム2艇のソナー級(全長23ft)を使った2対2のチームレースである。
日本からは、古豪〈月光〉チームを中心とした8人編成のメンバーで出場。これまで2018年の第1回大会(アメリカ)、2019年の第2回大会(イギリス)にも〈月光〉を主体としたチームで出場してきた。2020年からCOVID-19の影響で開催が見送られていたが、2022年の今年、待望の第3回大会が実施された。
日本では広島県でOP級とスナイプ級によるチームレースの大会があるが、キールボートの大会はない。そのため日本チームは有志の協力を得て、4艇のJ/24を使ってのチームレース練習やマッチレースの練習を重ねてきた。
アメリカ・ロードアイランド州ニューポートの海を、ニューヨークヨットクラブ ハーバーコートから見る。見渡す限りのヨット
主催はニューヨークヨットクラブ。ニューポートのハーバーコートには、下記の7カ国11チームが集まった。
Bayerischer Yacht Club(ドイツ)
Japan Sailing Federation(日本)
New York Yacht Club(アメリカ)
Newport Harbor Yacht Club(アメリカ)
Royal Belgian Sailing Club(ベルギー)
Royal Cork Yacht Club(アイルランド)
Royal Thames Yacht Club(イギリス)
Royal Yacht Squadron(イギリス)
Sorrento Sailing Couta Boat Club(オーストラリア)
St. Francis Yacht Club(アメリカ)
The Corinthian Yacht Club(アメリカ)
日本は、チームレースレガッタ3度目となる〈月光〉の市川航平と、470級トップセーラーの市野直毅をスキッパーとしてチームを編成。男子5人、女子3人で上位入賞を目指してレースに挑んだ。
日本チーム クルーリスト
石山雄大(チームリーダー、チームレース参加経験1回)
市川航平(スキッパー、チームレース参加経験2回)
市野直毅(スキッパー)
山本仁志(チームレース参加経験2回)
松山宏彰
宇田川真乃
松岡嶺実
森口史奈
初日は各チームに割り当てられた時間だけ練習を行い、翌22日からレーススタート。2対2のチームレースは、4艇同時にスタートし、4位を取ったチームが負けるというもの。コースは左から右へ、スタート後、アップウインドレグ、アビームレグ、ダウンウインドレグ、アビームレグ、アップウインドレグ、アビームレグ、ダウンウインドレグ、そしてフィニッシュ。上マーク4個、下マーク2個が配されたコースとなっている。
ステージ1は11チーム総当たりのラウンドロビンで、一気に10レースを実施した。日本は、激しく競り合うも僅差で負けてしまうレースがいくつかあり、4勝6敗の8位/11チームでシルバーフリートへ。
日本チームの1艇。右から市野直毅、松山宏彰、松岡嶺実、石山雄大
photo by New York Yacht Club
写っているのは、日本チームのもう1艇のバウマン、山本仁志。ほか市川航平、宇田川真乃、森口史奈
photo by New York Yacht Club
23〜24日はステージ2(フリートごとのダブルラウンドロビン)と、ステージ3(ゴールドフリート4位までの順位決定戦)。ステージ2で7勝1敗とした日本は、シルバーフリート2位で大会を終えた。
バイエリッシャーヨットクラブ(7&8)とロイヤルテムズヨットクラブ(13&14)のレースの様子
ニューヨークヨットクラブ(9&10)とコリンシアンヨットクラブ(13&14)の、下マークでの激しい攻防
優勝はニューポートハーバーヨットクラブ(カリフォルニア州ニューポートビーチ)。上位4位までチームレースの本場であるアメリカが占める結果となった。アメリカのインカレはチームレースであり、いずれのチームも経験値が段違いに高い。
ニューポートハーバーヨットクラブのメンバー。全員がチームレースのスキッパーをできるほどの腕前という
日本チームのリーダーである石山雄大は、「本当にわずかな差で負ける、紙一重のレースが多かった。2018年の大会では全くレースになっていなかったが、今回はしっかりレースができていた。だからこそ悔しい」と振り返った。
■成績
1位 Newport Harbor Yacht Club(アメリカ)
2位 New York Yacht Club(アメリカ)
3位 The Corinthian Yacht Club(アメリカ)
4位 St. Francis Yacht Club(アメリカ)
8位 Japan Sailing Federation(日本)
レース1日目の22日は、ハーバーコートの庭でカクテルパーティー。海外チームと2019年以来の再会で、話に花が咲く
世界中から集められた13人のインターナショナルアンパイア。日本から「元祖スーパーサラリーマンセーラー」こと今津浩平さん(こうたん。中央)も参加した
(文・写真=Kazi編集部/森口史奈)
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