ヨットやモーターボートに関する言葉は、とにかく難しくてヤヤコシイ。正しい意味がわからなくても、なんとなく使っていたりという場面も多いだろう。月刊『Kazi』や月刊『BoatCLUB』といった雑誌の誌面には、たくさんの専門用語が並んでいる・・・。
辞書を引けば出てくればいいが、専門用語だと、なかなかそうはいかない。現代は、パソコンやスマホで、なんでも瞬時に調べたり検索したりすることができる時代。ウェブの世界では、フリー百科事典のWikipediaのようなものも、日常的に使われているというのに・・・。
ヨットやボートに関する用語を解説したサイトがあればいいのに──そんな熱い声に応えて、ついに『Web版 ヨット/モーターボート用語集』が公開!
舵社から発行されている『実践 ヨット用語ハンドブック』(高槻和宏 著/2006年刊)をベースに、まずは1,700語弱を収載。わからない言葉が出てきたら、すぐに調べられる便利さが、やみつきになることうけあいだ。
掲載されている用語の解説は、『実践 ヨット用語ハンドブック』の著者である高槻和宏氏を中心に、月刊『Kazi』や月刊『BoatCLUB』など、プレジャーボートや海に関するさまざまな雑誌や書籍を発行する舵社のスタッフによって構成される編纂委員会による。
それでは実際にサイトの中身を見ていこう。
https://yougo.kazi.co.jp/ にアクセス。こちらがトップページ(PC版)だ。
用語の検索方法は3種類。一つ目が「全文検索」による方法で、ボックス内に任意の言葉を入力する。ここでは「かじ」と入力してみた。
「かじ」という文字列が含まれる語句の一覧が現れる。「あてかじ」「おもかじ」「かじ」「かじとり」など、ずらりと語句が並ぶ。
「かじ」を指定しクリックすると、個別のページに飛ぶ。一言で「かじ」といっても、いろいろな意味があるのだなあ・・・と痛感。
次に「見出し語検索」。こちらは五十音順に並べられた頭文字の中から、任意の頭文字をクリック。ここでは「ひ」を選択すると、「ひ」(「ぴ」、「び」も含む)から始まる語句がずらりと出てきた。
「ピー・エル・ビー」を選んで、個別ページへ。本文中にリンクが貼られている箇所(上の画面では「イーパーブ」)のほか、語句に関連する語句のカード(上の画面では「らくすい」「マン・オーバーボート」)から、それぞれの語句のページに飛ぶことができる。一つの語句から次の語句へ、網目状に調べられるような作りになっている。
『ヨット百科』(高槻和宏著/舵社 刊)の章立てに沿って、カテゴリーから語句を調べることも可能になっている。
少しでも皆さんの役に立てばという思いから、ひとまず「パイロット版」としての公開に踏み切った。今のところ、掲載されている語句はヨット関連がほとんどだが、今後、モーターボート関連の用語などを、日々追加していく予定である。
このようにどんどん語句を追加していったり、あるいは最新の情報へと更新していく作業は、まさに気の遠くなるような作業だ。でもこれこそが、紙の本と違って、Web版ならではの大きな強みとも思える。
三浦しおん作の小説で、映画化もされた『舟を編む』。同作品は、辞書を編集する人たちの日々を描いたものだが、その作品名は「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその舟を編んでいく」ということから付けられたそうだ。
「Web版 ヨット/モーターボート用語集」の制作にかかわるワタクシも、そんな心意気で臨んでいけたらと思う。「完成」ということは永遠になく、サグラダファミリアのようなものといえるかもしれない。
まずは「Web版 ヨット/モーターボート用語集」を、ブックマーク登録していただければ、あれこれ活用いただけると思う。わからない語句があったらすぐに調べたり、あるいは通勤・通学中にスマホで眺めていれば、知らぬ間に海のボキャブラリーが増えているはず。
少しでもよいものになるよう、編纂委員会一同、作業に励んでいきたいと思います。
(文=舵社/安藤 健)
「Web版 ヨット/モーターボート用語集」
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