ゆるキャン△ クルージング＝“ゆるクル” 料理を作る！
2023.10.26ゆるクル特集3回目♪
やっと取れた貴重な休み、詰め込みまくりの航海計画を立てていませんか？ たまにはゆっくりしましょうよ、ということで、ヒット漫画『ゆるキャン△』みたいに、ゆったり遊ぼう～、という企画。
月刊『Kazi』誌9月号に掲載した記事をその1～3に再編集し、お送りしています。
“ゆるクル”とは何かを検証。お呼びしたのは、このお二人。セーラーのハリー岡野さんと、キャンパーの清水昭夫さん。
最終回は料理について！ 清水さんが考えてくれた、ゆる～くて、おいし～料理をどうぞ♪
インフレータブルカヤックを曳航して、アンカリング。キャンプ用のタープを張って、バウにはハンモック。もう、かなるゆるい！ そして楽し気！
コチラの二人がゆるクルを作ります♪
セーリングのプロ
ダナ24オーナー、ハリー岡野さん
Harry Okano
ヨット歴66年。RYAデイスキッパー。現在の〈ポーラスター〉（ダナ24）は8艇目。国内外でのクルーズのほか、シーボニアマリーナを拠点に相模湾でデイセーリングを楽しむ。
キャンプのプロ
クリアウォーターカヤックスの清水昭夫さん
Akio Shimizu
カヤック＆キャンプ歴35年。カヤック専門ショップ「クリアウォーターカヤックス」代表。カヤックによるツーリングイベントの企画運営も手掛ける。まさにキャンプのプロである。
夕暮れに思う、ゆるクルの世界
ゆるクル料理、作ります
ゆるクルとは何か？ を探るために結成された「ゆるクル作る隊」。なんやかやと準備をしていざ出港。
ハリーさんはするするっとスマートな操船で、南西の風を避けて横堀海岸の沖までやってきた。デプスメーター（水深計）を確認し「この辺は水深7m。ちょうどいいね」とアンカーをレッコした。ハンモックとタープをセットして、まずは小網代湾をカヤックで散歩し、ヨットに戻った。
スモーク料理の準備をする清水さん。「コクピット、かなり広いですね。そうか・・・。でも、最初の予定通り“一カ所 に座って動かない”をテーマに調理します」と清水さんはスターンにテーブルを設置し調理を開始した。
「本来ビーフジャーキーは赤身の肉を使うんですが、スーパーに売ってなくて。サーロインステーキ用の牛肉があったので『うちに来るかい？』って聞いたら、『うん』って返事したので連れて帰りました（笑）。使うのはこのスモークキット（キャメロンズ ミニスモーカー）。今回はソフト系。100度に熱して、およそ10分で完成です」（清水さん）
あっという間に完成したソフトビーフジャーキーを味見したハリーさんは「僕は肉が大好きで、ベーコンやコンフィもたまに作ります。でも、サーロインのビーフジャーキーってのは、いいですね。すごくおいしい!」と高評価。
スモークしているその10分間、生クリームをパックごと振るという仕事を託された可奈さん。「これって何ができるんですかー？」（可奈さん）。「教えなーい（笑）」（清水さん）。といったほんわかしたやりとりを経て完成したのはまさかのバター。これにレーズンを投入してレーズンバターが完成した。
「教えないなんていじわる言っちゃったけど、実はこの“何ができるんだろう？”は、宴を盛り上げるエッセンスになります。調理に参加するのもアトラクションですから」（清水さん）。
さすがキャンプ料理のプロだ。あ、カヤック屋さんだってことは理解してます（笑）。
艇上キャンプ料理に挑戦!
ギャレーはあえて使用せず、それでいてキャンプっぽさを出す。清水さんの提案2品!
今回は燻製料理をチョイス。 ビーフにサバ、チーズとウズラの卵。バゲットに挟んでどうぞ♪
recipe01
ソフトビーフジャーキーを作る!
スモークチップを少量使用（分量は写真参照）。多すぎると苦くなる。今回はヒッコリを使用
チップの上に油の受け皿、そのうえに網を置く。取っ手は熱くならない。キャメロンズ／ストーブトップ・ミニスモーカ 価格：4,290円
サーロインステーキ用の牛肉に塩、コショウ、ショウガ、ニンニク、しょうゆで味付けし、キッチンペーパーにくるんで5時間寝かせたもの
デッキを避け、台の上に置いたガスこんろで10分。いい感じに燻されました!
recipe02
レーズンバターを作る!
生クリームを振る清水さん。何が完成するかは教えません（笑）
清水さんは調理があるので可奈さんに託す。何ができるの？
10分ほど振ると・・・バターができてる! さらにナイフなどで撹拌
レーズンを投入してまぜれば、レーズンバターの完成です!
クラッカーにレーズンバターを添えて。これはおいしそうです♪
15分ほどで完成した艇上キャンプ料理。まずは乾杯。あとはゆったりゆるクル時間を楽しもう
レーズンバターをたっぷり乗せたクラッカーで乾杯♪
日没後、ガスランタンを点火。温かい光が、ゆるクルを演出
そして日が落ち、美しき薄明時間へ
みんなで絶品料理を食べながら赤く染まる空を眺める。
「中村さん（編集担当）がコクピットでスモークしろなんていうから、清水さん大変そうだったじゃない。揺れるから（笑）。スモークだったら浮桟橋に係留した状態で作ってから出艇すればよかったね。アンカリングしたあとは盛り付けるだけ」（ハリーさん）。
陸でもよかったですね。海上なら、パルピットから艇外へ出すタイプのグリルを使うべきでした・・・。
「あ、私も思いました。ここでやっていいの？ って（笑）。陸ならもっと楽でしたね。でも思った以上に艇内が広くて、もっといろいろ持ち込めたなあと思いました」（清水さん）
「レーズンバターを作ったのは私です（笑）!」（可奈さん）
夕暮れを見ながらの反省会。これがゆるクルだ、という明確な解にはたどり着けなかったけれど、薄暮の艇上でゆったりくつろぐ皆さんの姿は、まさにゆるゆる。そこには、いい感じのゆるクルな風が吹いていたのでした。
バゲットを切って、ビーフジャーキーや、サバの燻製をはさんで食べる。可奈さんは、サバサンドにレーズンバターが合うことを発見（笑）。静かな入り江で静かな会話を楽しむ。ゆるクルの世界が少し見えてきました
ゆるクル作る隊、初代会長（暫定）のお二人が固い握手!
ゆるクルを終えて・・・
心に残った今日の一日
ゆるクルの場所を用意した人、作った人、そして楽しんだ人。それぞれから感想を聞きました。
（文＝中村剛司／Kazi編集部 写真＝山岸重彦／舵社）
※本記事は月刊『Kazi』2023年9月号に掲載されたものです。バックナンバーおよび電子版をぜひ
ゆるクル紹介動画はコチラ
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