世界最古のスポーツトロフィーであり、世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」(以下、AC)。 次回大会、第37会ACは2023年に開催が予定されているが、そのプロトコル(議定書)が発表された。気になるその中身とは・・・ 。
(タイトル写真=photo by AC37 Event)
ざっくりいってしまうと、採用艇は前回とほぼ同じ、ダブルラフセールを装備したモノハルフォイラーAC75と同タイプ。コードゼロなどのヘッドセールを廃したため、バウスプリットも不要になり、全長は75ftから67.5ftに変更。乗員は11人から8人に減らされ、グラインダーは手で回すことに規定がない(全大会同様、足でグラインダーを回すサイクラーもあり?)。さらには、AC40による女子&ユースレガッタの開催も公表!
日本から本戦への挑戦チーム、シンジケートはまだないが、AC40だけなら・・・という企業や有志がいたらいいなあ。などなど、プロトコルの内容を紹介します。
・ボートはAC75タイプ
・バウスプリットは削除され、全長は75ftから67.5ftに変更
・ヘッドセールのコードゼロ廃止
・マスト高さ、セールプランは前回同様
・ボートの総重量、前回大会から500kg減少
・ターゲット風域は6.5~21kt
・新艇1艇のみ製造許可
・フォイル、パーツ類の数量制限あり
・乗員は11人→8人
・ワンデザインクラス
・AC40クラスでのテストイベントあり
・AC40クラスでの女子レガッタ&ユースイベント
・クルーは全員(100%)ヨットクラブ国のパスポートを所持。ただし、アメリカズカップ新興国はのぞく
・アメリカズカップ・チャレンジャーシリーズ2024年。2022年3月31日までに発表
・チームは水素駆動のフォイル・チェイスボート2艇を運用
・エントリーは2021年12月1日から2022年7月末まで(2023年5月31日までレイトエントリー可)
AC40とAC75のスペック図。AC40も、もちろんモノハルフォイリングヨットで、45ktの艇速をほこるのだ! まじで速い
こちらがAC40のイメージCG。AC75をそのままスケールダウンした様子。40ftでここまで走れるなら、今後のプロダクションレーサーにも、このテクノロジーが下りてくることも十分ありえます!
第37回ACの、現在分かっている日程表。レイトエントリーは、2023年5月31日。日本のセーラーの皆さん、企業の皆さん。もう一度書きます。レイトエントリーは、2023年5月31日ですよ。
photo by AC37 Event
2023年の開催が待ち遠しい、第37回AC。ヨット・ボートの専門誌、月刊Kaziでは、プロセーラーの西村一広さんによる連載「新・アメリカズカップ日誌」を連載中。もっと詳しく知りたい方は、ぜひ読んでね♪
(文=Kazi編集部/中村剛司)
※月刊『Kazi』2月号に関連記事掲載予定。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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