その色の名前に、地名がついた島々の海がある。
小笠原諸島のボニンブルー、加計呂麻島の実久(さねく)ブルーに、宮古島の宮古ブルー、そして、与論島のヨロンブルー。月刊『Kazi』8月号(2022年7月5日発売)に掲載された話題の記事に、慶良間諸島のケラマブルーを追加し、日本の美しき青の世界を紹介します。旅先で出合う宝物、あなただけのブルーを見つけてみよう♪
(タイトル写真=photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi 小笠原諸島)
青の下にまた青が重なる。筆舌に尽くし難い透き通ったブルー。まるでゼリーのようである
photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi
ゼリーのような不思議な透明感
古くから「ボニンアイランド」の名称で知られる、小笠原諸島。無人島であったため、ブニンがなまりボニンになったという説。本州からはるか520マイル、その小笠原諸島の中心、父島の南西に位置する南島(みなみじま)周辺の海は、まさしく不思議な透明感をもったボニンブルーが広がっている。シャーベットのようなバミューダの海にも近い、いやそれ以上に幻想的なブルーなのだ。
南島の上陸ポイントとなる鮫池。ここもまた艶やかな青を見せる
南島周辺はドルフィンウォッチングが盛ん。ハシナガイルカの群れに遭遇
【島の基本情報|南島】
■面積:0.28㎢ ■人口:0人 ■海岸線の長さ:約5.5km ■標高:60m ■係留泊地:鮫池奥(観光船のみ)
切り立った山々とのコントラストも最高だ
photo by Katsuhiko Miyazaki / Kazi
白浜と青が織りなす二重奏
奄美大島の南に位置する加計呂麻島(かけろまじま)、その西方にある美しいビーチ、それが実久(さねく)海岸。入港は東方の生間(いけんま)港へ。奄美大島も加計呂麻島も、いずれ劣らぬ美しき海の青さを持つが、なぜか実久ブルーだけは、別格の青として特別視される。それは、この青を見ればすぐわかる。白砂の上に広がる透き通る青。めまいすら覚える美しさだ。
【島の基本情報|加計呂麻島】
■面積:77.39㎢ ■人口:1,400人 ■海岸線の長さ:147.55km ■標高:326m(加崎岳) ■係留泊地:生間港
対岸に見えるのが宮古本島。伊良部大橋でつながっている
photo by Shigehiko Yamagishi / Kazi
憧れの島が描く珊瑚礁のコントラスト
隆起珊瑚からなる宮古列島。つまり、そのすべてが珊瑚礁ともいえる地形が描く、美しき明暗のついた青のコントラストに心を奪われる。伊良部島から宮古本島を眺める。その水路に、このコントラストが静かにあらわれた。地形の低い宮古列島、伊良部島で最も高いといわれる牧山展望台からの風景。そこには永遠とも思える青の連鎖が広がっていた。
【島の基本情報|伊良部島】
■面積:29.06㎢ ■人口:6,200人 ■海岸線の長さ:72.4km ■標高:89.0m ■係留泊地:荷川取港(宮古本島)
プライベートビーチから広がるヨロンブルー
photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi
ツーリストを魅了する多彩な顔のブルー
鹿児島県最南端の与論島。多くのツーリストを魅了するヨロンブルーは、エメラルドグリーンがかった癒やしの青。写真は与論町B&G海洋センターのウッドデッキからの風景。セーリングはもちろん、カヤックも楽しめる。与論島の海は、ゆく先々で表情を変える。干潮時にあらわれる百合ヶ浜は、これまた格別な真っ白な青だったりするのだ。
【島の基本情報|与論島】
■面積:20.8㎢ ■人口:597人 ■海岸線の長さ:23.5km ■標高:98m
座間味島ヨットレースのコースに広がる青の世界
photo by Tsuyoshi Nakamura / Kazi
プールよりも透明な古座間味ビーチ
沖縄本島西部に位置する慶良間諸島。いずれ劣らぬ美しき島々が織りなす青は、ケラマブルーとして世界的にも知られている。なかでも、座間味島南部の古座間味(ふるざまみ)ビーチは「プールよりも透明」とも言われ、多くの観光客を虜にしている。ウミガメなら阿真ビーチ、サンゴなら安室大浜。しかし、透明度ならここ古座間味なのだ。
【島の基本情報|座間味島】
■面積:6.70㎢ ■人口:597人 ■海岸線の長さ:23.21km ■標高:160.7m(大岳) ■係留泊地:座間味港
(文=中村剛司/Kazi編集部 写真=舵社)
※関連記事は、月刊『Kazi』2022年8月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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