湘南エリアにおいて、観光都市、そしてベッドタウンとして、ますます人気を集めているのが茅ヶ崎市(神奈川県)。特にマリンレジャーを楽しむ人にとっては、生活の中心近くに海があるわけだから、これ以上にない環境といえるかもしれない。コロナ禍以来、新しい生活様式が浸透した今だからこそ、「海が近くにある暮らし」に注目してみたい。
今回、お話をうかがった多胡茂敏さん(68歳)/京子さん夫妻は茅ヶ崎の町で、そんなうらやましい生活を実践している。
「もともと家内が茅ヶ崎の出身だったこともあり、こちらに移り住んできました。今年で36年になりますが、とても暮らしやすい町だと思います。物価も安く、東京に通勤するにもとても便利。しかも私は釣りが趣味ですから、これ以上にない環境だといえますね」と、多胡茂敏さんは話す。
自宅から海まで歩いて10分という抜群の住環境。散歩がてらに海岸(サザンビーチちがさき)に足を運ぶことも多いそうだ。
そんな多胡さんは、相模川に隣接するリバーポートマリーナに、3年前に乗り替えたマイボート〈アルファプリンセス〉(ヤマハYFR-27)を所有しており、週1回のペースでボートフィッシングを楽しんでいる。
「茅ヶ崎に住むようになってから釣りを始めたんですが、最初は陸っぱりでシーバス(スズキ)なんかをねらっていました。でも全然釣れなくて(笑)。また、防波堤での釣りは場所取りが大変だったりもして、沖に出ればストレスなく釣りも楽しめるし、もっと釣れるんじゃないかと、ボートでの釣りを始めました」
初めてマイボート(23フィート)を手に入れたのは、多胡さんが34歳のとき。このボートに2年ほど乗った後、全長11フィートのボートに乗り換えた。
「この小さなボートは自宅に保管していて、休日ともなれば浜まで引っ張っていって、そこで下ろして釣りを楽しんでいました。フネと船外機が重くて、運ぶのも浜から上げ下ろしするのも大変でしたが、家内と二人でとにかく海に出ていましたね」
自宅にマイボートを保管し、そこから歩いて10分の場所から海に出られるというのは、なんともうらやましい限り。しかも、烏帽子岩(えぼしいわ)周りなど、茅ヶ崎の目の前の海にはポイントがたくさん点在しているのだから、これは魅力的だ。晴れた日には富士山を眺めながらサオを出せるのも、茅ヶ崎の海ならではのこと。
「茅ヶ崎の海では、浅場から中~深場まで、いろいろな釣りが季節ごとに楽しめるので飽きません。この近くでキハダマグロを上げたこともあるんですよ。これからの時季(取材は10月に実施)はアマダイが楽しみです」
急深の地形を持つ湘南エリアの海域は、わざわざ遠くまで足を運ばなくても、多種多彩な釣りを楽しめるのが特徴。まさにボート釣り天国である。
10月末に実施した取材当日は、風が上がってきてしまったので1時間弱の釣りとなったが、きれいなソコイトヨリ2尾を多胡さんが釣り上げてくれた。
烏帽子岩のすぐ近くのポイントで、アマダイをねらったが・・・かかってきたのはフグ。烏帽子岩、そしてその奥には江の島を望むという、湘南らしい景色が広がる。
11フィートのボートを自宅に保管していたころは、奥さまの京子さんと一緒に海に出ることが多かったそうだ。現在のボートでも、海況がいいときには京子さんも釣りを楽しむそうだ。
「私がすすめたこともあって、弟がこの4月に茅ヶ崎へ引っ越してきたんですよ。自宅とマリーナの間に弟の家があるので、クルマでマリーナに行く途中で寄って弟を拾い、一緒に釣りを楽しんでいます」
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身近に海がある場所に生活の拠点があるからこそ、豊かな暮らしが実現する。ボートアングラーの暮らしを考えたとき、それは一つの正解だといえるだろう。
(文=舵社/安藤 健 写真=松本和久 協力=リバーポートマリーナ、剛樹)
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(問い合わせ)
茅ヶ崎市 企画部 秘書広報課
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取材当日は、剛樹のフィッシングアドバイザーである弦巻海謙さんもボートに同乗。弦巻さんが生まれ育ったホームグラウンドの海で、一緒に釣りを楽しんだ
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