アオハタの唐揚げ鍋
真冬の伊東沖でカイワリをねらっていたが、サバ、マダイ、アオハタしかつれなかったMr.ツリック。その中から、今回はアオハタを使った料理のレシピを紹介します。
◆実釣の様子はコチラ
コマセ釣りでカイワリをねらう/東伊豆・井上丸
「アオハタの肉質は鍋に合う。唐揚げにも合う。だから、マリアージュしてみた」
この鍋のコツは、煮込まれてもクテクテにならない強じんな衣作りだ。昔、出前が主流だったころのそば屋の天ぷらの衣だと思えばイイ。といっても今の若い人にはわからんか。今のそば屋は天ぷら専門店のように衣を散らせて天ぷらを揚げているが、昔のソバ屋のエビ天は、鍋焼きうどんに入れて出前で揺らされても時間がたってもへこたれない無骨な衣だった。そんな感じの衣で唐揚げを作る。
味付けと野菜などの具材は好みでよい。
【材料】
●アオハタ1尾 ●下味用調味料[酒 大さじ2、みりん 大さじ2、鶏ガラスープの素 大さじ1、にんにくとしょうがのチューブ 各3 ~4センチぶん]
●好みの野菜 適量 ●好みの麺類 適量 ●鍋の素 好みのもの
①アオハタのウロコを取ったら皮のヌメリをよく取っておくこと。頭を落として三枚におろしたあとは、血合い骨と腹骨を取り、皮はそのままで塩水にしばらく漬けておく。そのあと、水気をきってひと口大に切る
②①のアオハタをポリ袋に入れ、酒大さじ2、みりん大さじ2、顆粒(かりゅう)の鶏ガラスープの素大さじ1に、おろしにんにくとおろししょうがのチューブをそれぞれ3 ~4センチ加えて軽くもんで、しばらく寝かしておく
③今回はダイコン、シメジ、ニンジン、長ネギ、チンゲンサイなどの野菜を切っておく。大鍋で作るなら、もっと多くの野菜を入れることができる。シイタケ、ニラ、ハクサイ、ミズナ、シュンギクにトマトやレタスもオススメ
④ダイコンやニンジンなどの火が通りにくい野菜は別の小鍋で下ゆでをしておくこと。このときの煮汁は鍋スープとして利用することもできる。くずきりやうどんなどの麺類を入れる場合も忘れずにゆで戻しをしておく
⑤ ②の袋の中に、全卵一つぶんの溶き卵と各大さじ3の小麦粉とかたくり粉を入れ全体に絡ませる。揚げたあとの魚肉に水分が残っていると、あとで水分が出てきて衣を柔らかくしてしまうため180度で二度揚げをする
⑥基本的に味付けは好きな味でOKだ。チゲでもトマトでもカレーでもアオハタの唐揚げは負けない。いちおう、ワガハイは④のゆで汁カップ2に白だし大さじ2、みりん大さじ1、砂糖大さじ1で味付けしました
【親父の小言】
いちおう春をイメージして、マダイの刺身と豆腐と野菜で作るマダイの白和えも一品加えた。作ったことのある人にはわかるだろうが、白和えは裏ごしとか下ゆでとか、かなり手間がかかる。なのに、「それだけでなく、もっと季節感のあるモノがほしいですぅ」とY男が言うから、食紅でマダイも酢飯もどピンクに染めて、中にイクラをしのばせてひな祭り対応の押しずしを作ってやったぜ。型は、日本酒パックを切って作った。タイそぼろを散らすとさらにヨシ。
須藤恭介(すとう・きょうすけ)
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。現在、同誌に連載中の「孤高の釣り人Mr.ツリックの ふらっと貸しボートに乗りにきた」では、釣りだけでなく、釣果料理のノウハウを紹介している。
月刊『BoatCLUB』の奇数月号では、元料理人の釣り人Mr.ツリックが釣果料理を披露しています。舵オンラインでも、絶品料理のレシピをご紹介します。
※本レシピは月刊『BoatCLUB』2024年3月号に掲載。最新号もよろしくお願いします!
(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=『BoatCLUB』編集部)
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