絶品釣果料理②/アオリイカの焼きそばとフライ

2022.09.28

月刊『BoatCLUB』の奇数月号では、元料理人の釣り人Mr.ツリックが釣果料理を披露しています。舵オンラインでも、絶品料理のレシピをご紹介します。

※本レシピは月刊『BoatCLUB』2021年7月号に掲載。最新号もよろしくお願いします!

 


アオリイカと夏野菜の焼きそば

アオリイカの厚みを生かしてイカウドンにしようかと思ったが、まだウマイと思うには至らず。でも、麺を食いたい気分だったので、イカで麺を作るのはあきらめて焼きそばにしてみた。なんのひねりもないイカ焼きそばですナ

 

材料
●アオリイカ 適量
●白だし 適量
●ナス、パプリカ、ニンニク 適量
●ごま油 大さじ1+1/2
●麺 1人前

 

①アオリイカの胴部分の身は2~3センチ角に切ってかの子切りにします。アオリイカの1枚目の皮だけをむいて、細かく格子状に入れる包丁は斜めに角度をつけて切り込むとキレイに曲がります。あと、白だしに漬けて下味を付けておくこと

 

②ナスは縦に拍子木切りにしたら、アク抜きと油を吸いすぎないために水にさらしておいてください。パプリカも縦長の少し太めの細切りにしておきます。ほかに、ニラ、レタス、シシトウ、オクラ、カボチャなどの夏野菜がオススメです

 

③ごま油で、ニンニクのスライス、ナス、アオリイカ、パプリカの順に炒めます。なお、表面加工が擦り切れた古いフライパンしかなかったので、フライパン用のホイルを使っております

 

④市販の塩焼きそばなら、添付してある塩ダレソースをそのまま使ってヨシ。自力で味付けするなら、①の白だしと顆粒の鶏ガラスープを合わせたものか、塩こうじがオススメです。あとは好みの中華調味料でもOKですゾ

 


アオリイカのゴーヤーロールフライ

ゴーヤーを厚切りで食べると苦味が強く感じられるため、苦味取りの下ごしらえは必須である。縦半分に切って、ワタと呼ばれるタネが入った柔らかくて白い部分を取り出しますが、この部分が苦いと錯覚して、徹底的に取り除く人がいます。でも、このワタの部分に苦味はないので、むしろ多めに残したほうが苦味は軽減されますヨ

 

材料
●ゴーヤー 1本
●砂糖、塩 適量
●アオリイカ 200g
●すり身
●調味料(ごま油 25g、かたくり粉 大さじ4、砂糖 大さじ1、塩こしょう 少々、卵白 1個)
●紅しょうが、青ネギ、大葉 適量
●かたくり粉、小麦粉、卵、パン粉、油 適量

 

①ゴーヤーの両端を切り落とし、縦半分に切り、ワタを軽く取り出します。それから、安定させるため外側の丸い部分を少し削り取ってください。両面に砂糖と塩をもみこみ、しばらく置いて水分が出たら、そのまま洗わずに1~2分ゆでます

 

②アオリイカはゲソとエンペラ、内臓との連結部にある身を荒くたたいておきます。使用する量は200グラムくらい。ゲソとエンペラだけでは足りずに胴の身を使う場合は、皮付きにすること。刺身にするときに取り除く部分を使うとよいでしょう

 

③でたたいたアオリイカとごま油、かたくり粉、砂糖、塩こしょう、卵白をフードプロセッサーに入れてかき混ぜます。アオリイカの食感が残るよう、足の形を残す感じで

 

④さらに、紅しょうが、青ネギ、大葉を入れてかき混ぜます。ここで少量を取り出して、フライパンで焼いて味見をしておいてください。粘りが少なくまとまりが悪ければ、もう少しかき混ぜ、アオリイカの食感が物足りなければ追加します

 

⑤①のゴーヤーの水分をよく拭き取り、両面に軽くかたくり粉をまぶしたら、円柱形になるように、④のアオリイカのすり身を詰めます。あとは、フライと同じ手順で、小麦粉、溶き卵(③で使ったあまりの卵黄も入れて)、パン粉を付けていきます

 

⑥衣が少ないと型崩れするので、衣の付きが悪ければ、再度、溶き卵とパン粉を付けて補強。あとは、たっぷりの油で揚げられるように、ゴーヤーのサイズにあった鍋を用意して170度でじっくり揚げます。冷めてもウマシ

 

【親父の小言】

味付けをして練り物にしてしまえば、あとはドーにでもなりますが、選択肢が多すぎて悩んでしまう。蒸し物、焼き物、汁物、鍋物やおでんの具にもなりますな。ただ、練った瞬間から味が落ちてゆくので、作り置きができないのが難点か。あと、できることならフードプロセッサーなんぞ使わずに、すり鉢であたりたいところですナ。結局、ボールにしてかたくり粉をまぶし、ゴーヤーロールフライで使った油で揚げてみた。アツアツをビールで流し込む至福。

 

千葉県・富浦沖でのアオリイカ釣りの様子はコチラ

 

須藤恭介(すとう・きょうすけ)
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。現在、同誌に連載中の「孤高の釣り人Mr.ツリックの ふらっと貸しボートに乗りにきた」では、釣りだけでなく、釣果料理のノウハウを弟子に教えている。 

 

(文=須藤恭介[Mr.ツリック] 写真=舵社/宮崎克彦)

 


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