絶品釣果料理⑥／キダイの和風パスタとタッパー蒸し
2023.02.20月刊『BoatCLUB』の奇数月号では、元料理人の釣り人Mr.ツリックが釣果料理を披露しています。舵オンラインでも、絶品料理のレシピをご紹介します。
※本レシピは月刊『BoatCLUB』2022年5月号に掲載。最新号もよろしくお願いします!
タイカブラの１分パスタ添え
タイカブラと聞くとタイラバの原型を想像しますが、「鯛蕪」と書けばれっきとした京料理ですよネ。1分パスタはタイカブラの残り汁で作ると無駄がないですが、今回はキダイのアラでだしを取り、味付けした調味液にパスタを浸しました。
【材料】
●キダイ：1～2尾
●パスタ：200g
●日本酒：1/2カップ
●かぶ：2個
●砂糖：大さじ1と1/2
●みりん：大さじ2
●薄口しょうゆ：大さじ3
●大葉：適量
①タイカブラを煮た残り汁、もしくはキダイのアラで取っただし汁180ミリリットルに、薄口しょうゆ、酒、砂糖各小さじ2（分量外）を加え煮立てて冷ました漬け汁に1.4ミリのパスタを1時間漬けて、あとは取り出しておく
②かぶは茎の部分から葉を切り取り、皮は厚く（表皮から2～3ミリの色の違う部分を取り除くように）むくと、火の通りと味の染みが早くなり食感もよくなります。皮をむいたら4等分に切り、下ゆでします
③キダイの頭をカブト割りにし、湯霜する。水3と2分の1カップ、酒2分の1カップを鍋に入れてからひと煮立ちさせてアクを取る。そこにかぶを入れ、砂糖大さじ1と2分の1、みりん大さじ2、薄口しょうゆ大さじ3で味付け
④③にアルミホイルで落としブタをして火をつけて25分（かぶに竹串がスッと通ればヨシ）。①のパスタは1分ゆでてお湯を切り、炊いたかぶなどと合わせて盛り付け、千切りにした大葉を散らせば完成
キダイとキャベツのタッパー蒸し
蒸気を利用しない、ナンチャッテ蒸し料理です。それでも、キダイのうま味がキャベツやほかの野菜にタップリと染みわたっていると思います。それに、見た目もキレイ。野菜嫌いの子どもにもオススメですゾ。最後にタッパーを逆さまにしてしばらく蒸らすのがミソ。盛り付ける皿の上で蒸らせば、冷えて縮んで簡単に取り出せます。
【材料】
●キダイ：1尾
●白だし：適量
●ニンジン：適量
●キャベツの外葉：2～3枚
●卵：1個
●しょうが：適量
●大葉：5～6枚
①キダイの胴部分のウロコを取り、三枚おろしにし、皮は残し骨を取る。その片身を3～4等分に切り、5倍に薄めた白だしに漬け込んでおく。数分たったら水気を拭き取ってしばらく置いておく
②ニンジンは輪切りで薄くスライス、キャベツはタッパーの半分ほどの大きさに切る。それらを耐熱皿にのせて500ワットのレンジで1分間加熱し、柔らかくする。ほかに、スライスしたカボチャやサツマイモも合います
③卵一つをボウルに割り入れ、泡立たないように、箸をボウルの底から離さないでよくといておく。そこに白だし小さじ1と水小さじ3を混ぜ、さらにしょうがのみじん切り少々を加える
④溶き卵の次はニンジン、その次はキダイ、からの溶き卵→ニンジン→大葉→キャベツなどの要領で段々に敷き詰めてゆく。基本的に薄い状態になる野菜ならばなんでもヨシ。ただし、縮まないようにあらかじめ加熱すること
⑤盛り付けたときにキダイの赤い皮が一番上になるよう、タッパーの底にキダイの皮を下にして①の切り身を4 ～5枚敷き詰める。その上に②のキャベツを均一に並べ、その上から③の溶き卵をつなぎとして少量注ぐ
⑥タッパーのフタでギュウギュウに押して閉めたら、フタが開かないようラップでグルグル巻きにして、500ワットのレンジで2分、タッパーの上下を180度変えてさらに2分。取り出したら、フタを下にして蒸らしながら冷ます
【親父の小言】
毎年恒例の小浜の釣り大会に行けなくなってもうすぐ3年。せめて、ナンチャッテ「小鯛のささ漬け」でも作って小浜気分に浸る。まず、三枚におろしたら、骨を取り皮は残して、塩にして15～20分。水で洗い流して水気を拭き取ったら、すし酢にチョイと純米酢を足した液に30分漬けてから取り出し、ひと晩ほど寝かせれば完成。まずは30分漬けたモノをあぶって食べてみる。タタキのように中心部は生っぽく、あぶりの香ばしさがあいまって最高。
（文＝須藤恭介［Mr.ツリック］ 写真＝『BoatCLUB』編集部）
伊東でキダイをねらった釣行記事はコチラ
須藤恭介（すとう・きょうすけ）
愛称、Mr.ツリック。長年、月刊『ボート倶楽部』の筆者として活躍。現在、同誌に連載中の「孤高の釣り人Mr.ツリックの ふらっと貸しボートに乗りにきた」では、釣りだけでなく、釣果料理のノウハウを弟子に教えている。
あわせて読みたい!
