湖岸で葦(アシ)を刈り、その葦を束ねて葦舟を作り、さらにその葦舟を自ら漕いで性能を競い合う——。こんな世界大会が毎年茨城県の霞ケ浦で開かれているってご存じでした!?
2023年の開催は、2023年3月18日(土)・19日(日)の2日間。で、この世界大会、ただいま参加者を募集しているんです!
(文=CANOE WORLD編集部/星野 淳 写真提供=@Press)
大会の正式名称は「ニホンウナギ杯争奪 第3回 霞ヶ浦葦舟世界大会」。“環境保全型競技大会”と銘打たれた同大会は、アシ原を整備しながら湖とつながる人を増やすことを目的とし、来年で3回目を迎えます。
この大会が開催されるようになった背景には、深刻な湖岸の植生帯が危機があったといいます。
ご存じのようにアシ原は、産卵場であり、水質浄化の機能を持ち、昆虫や魚などの水生生物の大切な生息場所です。
しかし、霞ヶ浦の湖岸線の96%は人工的な護岸堤になってしまったため、アシなどの水生植物の植生帯(アシ原)が激減。その後、植生帯を作るために離岸堤が建設され、いくつかの場所でアシ原が復活しつつあるのですが、手入れがなされていないため、植生帯の十分な復活につながっていないのが現状なんですね。
アシを刈り取ることは、アシが吸収した栄養塩を湖から取り除き、アシ原が陸地になるのを防いで植生を維持します。
この世界大会は、植生帯を復活させながら、アシを使う文化を創出し、広めることを目的としているのです。
大会の日程は2日間。
ところで、葦舟ってそんな簡単に作れるものなのでしょうか? しかもその出来上がった葦舟を漕いでレースなんてできるのでしょうか??
はい、できるんです!
スケジュールは、初日の10時から15時は葦刈り。その後、17時までが葦舟作り。
翌日は10時から競技開始となっておりまして、主催する「霞ヶ浦特定非営利活動法人 霞ヶ浦アカデミーおよび行方カヌークラブ」では、葦舟の作り方(PDF)も公開しています。
ちなみに、その作り方によると、生えそろった葦原であれば、5メートル四方に生える葦の分量程度で1艇分ができ、葦舟の製作自体は大人4人で約1~2時間の作業とのこと。
(製作方法は自由。主催者側はより革新的な設計を推奨しています)
2日目に予定されているレースは、コースを3周して順位を競います。そしてタイム上位のチームと、技術的に優れた葦舟を製作したチームを表彰、ニホンウナギ杯が贈呈されます。
現時点では、ベトナムや中国、手賀沼、地元のチームなどの参加が予定されているそうです。我こそは、という方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか?
ただいま、3名以上からなるチームを募集中で、締め切りは2023年年2月18日(土)です!
名称:ニホンウナギ杯争奪 第3回 霞ヶ浦葦舟世界大会
期日:2023年3月18日~19日
(※18日は葦刈りと舟作成。19日はレース)
主催:特定非営利活動法人 霞ヶ浦アカデミーおよび行方カヌークラブ
場所:霞ヶ浦の高須崎公園沖および湖岸
参加資格:3名以上からなるチーム(18歳未満の参加者は保護者の同意を必要)
参加費:一般6,000円/1名、中学生以下3,000円/1名(前夜祭、傷害保険を含む)
申し込み締め切り:2023年2月18日(土)
申し込み方法:下記ウェブサイトから
https://k-acad.com/ashifuneworldcup2022/
(問)NPO法人霞ヶ浦アカデミー事務局 菊地章雄
kasumigaura.academy@gmail.com
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