注目の最新クルージングカタマラン/ エクセス 11

2021.06.06

2020年、ベネトウグループ(フランス)が新たに立ち上げたクルージングカタマランブランド「エクセス(Excess)」(フランス)。近年、世界のマーケットにおいて、ますますマルチハルの需要が高まるなかで、大きな注目を集めている。

そんなエクセスブランドのモデルが、この春、日本で進水。その「エクセス11」の試乗取材の機会を、さっそく得ることができた。

詳細は、6月4日発売の月刊『Kazi』7月号掲載の西村一広氏の記事に譲るとして、本WEBサイト「舵オンライン」でも、その注目のモデルの概要についてあわせて紹介しよう。

 

①西村一広氏による解説動画

②エクセスカタマラン社のブランドディレクターへのインタビュー

ぜひご覧いただきたい。

 

(文=舵社/安藤 健 写真・動画=松本和久)

※より詳しい内容は、月刊『Kazi』2021年7月号に掲載。全国書店またはこちらからお求めいただけます

 

西村一広氏によるエクセス11解説動画
ドローンによるセーリングシーン、オデッセイマリーン代表/関口徹夫氏との対談も収載!

 


エクセスカタマラン社ブランドディレクター
Thibault de Montvalon氏に聞く

 

●ベネトウグループが、新しいクルージングカタマランのブランドを立ち上げた理由は?

まず、クルージングカタマランの需要がますます高まっているということ。新しいブランドによって、新しい提案ができるのではないかと考えたのです。
次に、クルージングカタマランの個性が細分化していく傾向が見られ、(現在の主流である)快適に過ごせるとボートという特徴に対して、それを多少犠牲にしてもセーリングのパフォーマンスを求めるニーズもあるということです。
もう一つ、ベネトウグループは世界中のディストリビューターの販売網に支えられていますが、ラグーンと別のカタマランブランドを立ち上げることによって、これまでは競合を避けるためにカタマランを扱えなかったディストリビューターに対し、カタマランを販売する機会を提供できます。

 

 

 

●エクセスの特徴は、どんなところにありますか?

他のクルージングカタマランと同様に居住性と安定性を備えていますが、私たちのボートならではの最大の特徴は、セーリング自体を楽しめるという点。そのため、次のような特徴やオプションも用意しています。
「パルスライン」パッケージは、より大きなセールプランを持ち、各種の追加艤装が施される。
左右の船体の後端にステアリングホイールを設置。セール全体を見るには最適な位置であり、この位置にホイールを置くことでラダーと直接つなげられ、より敏感なフィーリングが得られる。そして、操船中に他の乗員やゲストとセパレートされることがない。
開閉式のコクピットルーフ(オプション)。

デザインは、マルチハルの分野では世界で最も有名なVPLPが手掛けています。

 

 

 

 

●ターゲットとなるユーザーは?

第一のターゲットは、モノハルからカタマランへの乗り換えを検討している人たち。彼らは、「広い船上空間」「たくさんのゲストと一緒に乗れる」「ロングクルージングに出られる」「ヒールがない」「船内に入るたびに"下りる"必要がない」といった部分で、カタマランを高く評価しています。しかし、セーリング性能を犠牲にし、セーリングそのものを楽しめないボートを望んではいません。そう、彼らが望む「双方の長所」を備えているのがエクセスなのです。

また、「エクセス11」は、マーケットでは最も小さいクルージングカタマランになります。これは、初めてカタマランに乗るユーザーには、魅力的な選択肢となるでしょう。
(※現在は11のほかに、12と15をラインアップしており、13と14がリリースされる予定)

 

 

 

●今後の展開についてお聞かせください

最初の1年間で100隻以上を販売しており、現在も全てのモデルで1年間以上のウェイティングリストがある状態です。2年目となる今年は、生産能力の倍増に取り組んでいます。

クルージングカタマランのマーケットにおけるエクセスの役割とは、カタマランの世界に多くのニューカマーを連れてくること。これからも新しいトレンドを生み出し、カタマランファンの数をもっと増やしていきます。

私は何度か日本を訪問したことがあります。そして、日本のセーラーが「玄人」であることを知っています。ですから、日本でも高い評価を受けるであろうと確信しています。

 

■Thibault de Montvalon / Excess Catamarans Brand Director
チャーターヨット会社を皮切りに、ボート業界でのキャリアを重ねる。2012年には、ベネトウグループのアジアパシフィックオフィスに加わり、セールスマネジャーやブランドディレクターを歴任。その後、家族と一緒にラグーン380で南太平洋を6カ月間クルージング。2020年1月、エクセスカタマランのブランドディレクターに着任。ビジネス、そしてセーリングの経験を存分に活かしている

 


SPEC

●全長:11.33m ●全幅:6.59m ●喫水:1.15m ●軽荷排水量:9t ●セール面積:メイン55㎡、セルフタッキングジブ22㎡、コードゼロ54㎡ ●燃料タンク:400L ●清水タンク:300L ●エンジン:ヤンマー3YM30SD×2

 

(問い合わせ)

オデッセイマリーン
TEL: 046-875-0650 / 046-879-2178

https://www.odysseymarine.co.jp/

 


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