プロはもちろんのこと、休日を海の上で過ごすボートアングラーにとっても手放せないアイテムが「魚群探知機(魚探)」。これがあるとないとでは、釣果に大きな差が出るだろうことは言うまでもない。
その魚探。実は、世界で初めて実用化に成功したのは、日本の古野電気だということをご存じだろうか。数々の失敗を重ね、それでもあきらめることなく取り組み続けた結果、1948年、ついに実用化し、販売を開始することができたのだ。
それまでの漁業といえば、経験と勘に完全に依存していたのが実情。そんななかでの魚探の登場は、漁業を科学的見地に基づくものへと進化させる上で、大きな役割を果たした。
世界で初めて実用化された古野電気の魚群探知機(写真は同型機)
魚探の登場が漁業を変え、それは戦後当時のたんぱく質不足という食料事情の改善にも、ひと役買ったといえる。そんな理由から「戦後日本のイノベーション100選」にも選ばれるなどしていたが、このたび、その歴史的意義から、(一財)日本記念日協会によって、12月3日が「魚群探知機(魚探)の日」として正式登録された。
1、2、3と、語呂もよく、非常に覚えやすいことうけあい。この12月3日というのは、世界で初めて魚探を実用化し販売を開始した古野電気の創立日(1948年12月3日)に由来するものである。
日本記念日協会によって発行された記念日登録証
上は、古野電気の低周波グラフ魚探「FCV-38」。魚体長計測グラフは研究者向けデータフォーマット対応によって、資源調査や資源管理型漁業にも貢献している
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世界中の海で、プロユース、プレジャーユースを問わず、たくさんの人たちを支えている魚探。その誕生から半世紀以上がたった今も、常にその機能は進化を続けている。
日本が誇るテクノロジーが、記念日として認定されたことは、海で遊ぶ一人として心から喜ばしい出来事だと思う。より多くの人たちが、この素晴らしいアイテムについて、少しでも興味を持ってくれたらと願うばかりだ。
(文=舵社/安藤 健 写真提供=古野電気)
●(一社)日本記念日協会
https://www.kinenbi.gr.jp/
●古野電気
https://www.furuno.com/jp/
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