Kazi YACHT AWARD 2024のグランプリに輝いたフィガロ・ベネトウ3がC / R(クルーザー/レーサー)& スポーツ部門でも1位を獲得。水中翼を装備したフィガロ・ベネトウ3が、一般のヨットとともに販売されユーザーに届く時代。水中翼によって艇体を浮かせて走るフォイリングは、もう一部のトップセーラーだけの特権ではなくなったのである!
Kazi YACHT AWARD 2024
国内唯一のセールボートとパワーボートの専門誌、月刊『Kazi』誌2024年3月号(2024年2/5発売)から、2025年2月号(2025年1/4発売)に紹介したセールボートを対象とし、アワードを決定するものだ。
◆メインカット
photo by Kazuhisa Matsumoto | 優雅にスキミングモードで海を滑るフィガロ・ベネトウ3
Kazi YACHT AWARD 2024
CRUISER / RACER & SPORTS
C/R & スポーツ部門 1位
Figaro BENETEAU 3
フィガロ・ベネトウ3
[問い合わせ]
ファーストマリーン
TEL: 046-879-2111
Boat Review
松本和久さん(選考委員)
完全にテイクオフするハイドロ艇は波に干渉しないので波に表情を作り出さないのに対し、このフネはハルが波を切って表情豊かな波を作り出し、いかにもヨットらしい写真を撮ることができた。
Dealer’s Comment
関口徹夫さん(ファーストマリーン)
20径のフェンダーで、一般艇同様に係留できます。1990年登場のフィガロ1から34年の歴史を引き継ぐ、バランスの取れた一艇です。
対象記事と選考方法
2024年3月号から2025年2月号までに月間『Kazi』で紹介した、艇紹介および、艇の性能を取材し分析した記事を加えた38艇が対象。上記4人の識者に加え、植村浩志(舵社社長)と、安藤 健(同営業部)にKazi編集部員・写真部を加えた11人で選考。それぞれ1~10位を決め、1位30点、2位29点……10位11点を加点、識者の4人以外は1位20点からスタートした。
Kazi Yacht Award 2024選考委員
Kazi YACHT AWARD 2024 選考委員会総評
(文=Kazi編集部/中村剛司)
今回は2024年5月号のクラシカル艇特集、10月号のデイセーラー特集があったため、古き良き船型の艇が多くノミネート。また、毎回7艇ほどあるマルチハルが今回は2艇のみ。スポーツボートはフィガロ・ベネトウ3の1艇のみ。同時にC / R(クルーザー/レーサー)艇も4艇と少なかった。 そんななか16艇がノミネートされたクルージング部門を制したのは、なんとマルチハルのエクセス14。たった2艇のマルチハルながらその存在感を見せつけた。10艇がノミネートされたデイセーラー部門の1位は、サフィアSC8mキャビン。2021年、2022年と連覇したシリーズの地力はさすが。また、デイセーラー&ディンギー部門には自作艇も含まれ、その5位にヘレショフ16’8’’ヨール〈コキーナ〉が入ったことは面白かった。なんとこの艇はまだ完成していない(笑)。進水が待ち遠しい。 現実と乖離しすぎたアメリカズカップやヴァンデ・グローブの知見は、プロダクションボートには降りてこない。そんな批判をはね除けるように登場した、フォイル艇、フィガロ・ベネトウ3と、それを選んだ今回の選者たち。セーリングシーンをけん引するのも、やはりこのジャンルということであろう。
(文=Kazi編集部 写真=松本和久)
※関連記事は月刊『Kazi』2024年2月号に掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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