ポーランドの新進ビルダー「N’Fun Yachting(Nファンヨッティング)」の日本での取り扱いを、オカザキヨットが新たにスタートした。
Nファンヨッティングは2014年に創業のビルダーだが、その成り立ちはとてもユニークだ。創業者のマレク・スタンチク(Marek Stanczyk)はポーランドのトップセーラーで、マッチレースで活躍してきたほか、ナショナルチームに所属していたり、さまざまなクラスのセーリング競技で華麗な経歴を誇っている。
そんなポーランドのトップセーラーであるスタンチクは、自身の夢をかなえるべく造船所を設立。そのファーストモデルである「Nファン30」は、スタンチクならではのコンセプトが具現化されたユニークな一艇だ。
Nファン30の全長は9.0m。船体は、バキューム工法によって建造されている。
ユニークなのは、ユーザーが求める用途に応じて、さまざまなスタイルの艇に仕上げることができるということ。マストやキールに選択肢があるのはもちろんだが、ラダーはシングルかツインのどちらかを選べるようになっていたり、ステアリングもティラーとホイールのどちらかを選べるようになっている。例えばリフティングキールをチョイスすれば、トレーラーでの移動も可能だ。
Nファンヨッティングでは、Nファン30について、「デイセーラー」でもあり、「クラブレーサー」でもあり、「パフォーマンスクルーザー」でもあると説明している。上の3つの写真を見てもわかるように、アペンデージやリグ、艤装のチョイスに応じて、いろいろな顔を見せるセーリングクルーザーであることがうかがえる。
ホイールとツインラダーを選択した例。トランサムにはマストを倒した際に置くための金物が設置されているので、トレーラーでレースを転戦している艇だと思われる
こちらはティラーにツインラダーの組み合わせ。コンパニオンウェイの前の床がポップアップして、テーブルになるというオプションをチョイスしている
コクピットの前方に、オプションの背もたれ付きシートを設置している艇。全体的にモノトーン調のカラーリングをチョイスしていて、モダンなデイセーラーという雰囲気にあふれている
船内のインテリアについても、家具や床の木材の有無や種類、ファブリックの種類、壁の色など、いろいろな選択肢の中から、ユーザーの好みに応じて選べるようになっている。素材ひとつで、ここまで雰囲気が変わるものかと感じ入るばかりである
*
気になる日本1号艇は、この夏やって来る予定。9月29日(金)~10月1日(日)に開催される「ヨコハマフローティングヨットショー2023」にも出展されるというから、ぜひともチェックしたい。
このサイズのセーリングクルーザーは、エントリーモデルとしてもおすすめ。艇に施されたいろいろなアイデアについても、興味が尽きない。実際に艇にお目にかかることのできる日が楽しみでならない。
(文=舵社/安藤 健 写真=N'Fun Yachting)
N'Fun 30
●全長:9.0m
●水線長:8.92m
●全幅:2.92m
●喫水:0.5~1.6m
●重量:2.1t
●セール面積:メイン25㎡、ジブ20.8㎡、スピネーカー最大100㎡
(問い合わせ)
オカザキヨット
TEL: 045-770-0502(横浜)、0798-32-0202(西宮)
https://okazaki.yachts.co.jp/
これはハマる!!
N’Fun 30 コンフィギュレーター
オカザキヨットの岡崎浩資朗社長が教えてくれた「N’Fun 30コンフィギュレーター」。これはウェブサイト上で、N’ファン30のいろいろな部分の仕様をチョイスし、実際に3D画像で見られるというものだ。
仕事を終えて帰宅し、ビールを飲みながらのひとときに、すっかりハマってしまった。
マストやラダー、艤装品のあれこれを選んでいくと、それがその都度、3D画像に反映されていくのが気持ちイイ。船内のインテリアについても、自分好みの雰囲気に仕上げていくのが、なんともたまらない。
ついついオプションを好き勝手に盛り込んでいくと、画面右下に表示される「Total Price(現地価格)」がとんでもない金額になってしまって、オプションを一つずつ削っていくなんてあたりは、ワタクシのような庶民ならではというところか。オーナー気分を手軽に味わうことができるので、ぜひ一度お試しあれ。
※サイトへのアクセスはコチラをクリック
これはいかにもスタンダードな感じ。ここからいろいろと、自分好みに仕上げていく
デッキにはイミテーションチークをあしらい、セールもレーシング仕様をチョイス。ハルカラーは燃え上がるレッドを選んでみた。Total Priceは跳ね上がる一方ですが、まったく気にしません(笑)
標準仕様の船内。シンプルではあるが、もう少しなんとかしたい
どうですか! カッコいい感じになったでしょ! ブルーのファブリックが高級感を醸し出しています
あわせて読みたい!
●7/5発売、月刊『Kazi』8月号|特集は「君は外薗潤平になれるか?」
●ドイツのベンテヨットが今秋日本初上陸|ウインクレルが取り扱い開始
●プレミアムなデッキシューズが誕生|スペリーのゴールドカップコレクション