和歌山県・和歌山マリーナシティ沖から愛知県・ラグナマリーナまでの200マイルをコースとする、「外洋ダブルス日本選手権2022」がスタートしました。
男女外洋ダブルスがパリ五輪セーリング競技の新種目に検討されていたことを受けて、日本でも世界選手権に派遣する男女ペアの参考とするために、昨年5月に第1回大会を実施する予定でしたが、残念ながら中止となってしまいました。
今年は参加資格からハル長の制限がなくなり(昨年はLH8.9~11.0m)、ハル長11.92mのベネトウ・ファースト40.7を含めた4艇がエントリー。外洋内海、外洋東海、三浦外洋セーリングクラブから8人が和歌浦に集まり、内訳はミックスペア3チーム、男性ペア1チームとなっています。
【ミックスペア】
JPN 6982〈ヴィッケ〉(ベネトウ・ファースト35)
佐俣和男/佐俣いづみ(三浦外洋セーリングクラブ)
ダイビング、乗馬、自転車など、さまざまなアウトドアをご夫婦2人で楽しんできたという佐俣さん。葉山でセーリングを覚えて6年たち、「ヨットを知らない人生でなくてよかったと思うほど楽しいです」と満喫されています。昨年もこの大会にエントリーし、レースに向けてベネトウ・オセアニス320からベネトウ・ファースト35に買い替えたそうです。
JPN 2500〈KLC HORIZON6〉(横山30R MOD)
邨瀬愛彦/高原奈穂(JSAF外洋東海)
あらゆる外洋レースを経験した邨瀬(むらせ)さんと新社会人の高原さんによる、年の差約半世紀のチーム。高原さんはこのレースに向けて、1月末からみっちり40日ほど合宿したそうです。「最年長は私かな? 目標は優勝ですが、スタート前の大ボラだと思ってくださいね」と邨瀬さん
左から2人目が邨瀬さん、同3人目が高原さん。両端のお二人はサポートメンバー
JPN 5830〈シカダイ〉(ヤマハ33S)
前田孝子/白井好男(JSAF外洋東海)
いつもダブルハンドでセーリングを楽しんでいる前田さんと白井さん。ロングレースの魅力について「風景が変わって、細く長くつながっていく感覚が面白いです」(前田さん)、「やり遂げた達成感ですね」(白井さん)と教えてくれました。
【男性ペア】
JPN 5997〈シエスタ〉(ベネトウ・ファースト40.7)
藤井裕己/関根孝大(JSAF外洋内海)
シエスタチームの最古参クルーの2人は、30年以上の付き合いだといいます。「頑張らない、無理しないがモットー」と藤井さん、「目標はファーストホーム。船が一番大きいからね(笑)」と関根さん。
左が藤井さん、右が関根さん
一昨日はインスペクション、昨日は艇長会議が実施され、通信手段やロールコールの確認、天気について情報共有されました。
今日は予報通り朝から雨が降っていましたが、9時半ごろには一度止み、予定通り10時にスタート。淡路島の南に位置する沼島を回航してラグナマリーナを目指します。
スタートシークエンスの様子。和歌山セーリングセンターでは、JOCジュニアオリンピックカップ兼 JSAFジュニアユースセーリングチャンピオンシップを開催中。ユース世代のディンギーセーラーたちが、キールボートのスタートを見守りました
和歌浦をスタートした4艇は、まずは沼島へ
艇速5kt平均とすると40時間ほどでのフィニッシュを予定しています。なお、タイムリミットは5日(木)12時です。
今大会では、各艇の位置情報(トラッキング)が随時更新され、ウェブ上で公開されています。ゴールデンウイークのレース期間中は、陸にいながらにして、外洋レースを一緒に楽しむことが可能となっています。
■トラッキングサイトはこちら
■コース
和歌山県・和歌山マリーナシティ沖 → 沼島回航(反時計) → 潮岬回航 → 愛知県・ラグナマリーナ沖
(文・写真=Kazi編集部/森口史奈)
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