憧れの小笠原諸島!/父島 二見港 入港ガイド

2021.09.23

関東からおよそ600マイル。セーラー憧れの離島、小笠原諸島の父島。検疫などの手続きがスムーズなため、世界周航セーラーの玄関口としても知られている。そんな父島の泊地、二見港への入港ガイドを紹介します!

(タイトル写真=父島・三日月山展望台から見る二見港) 

 

 

Kazi 9月号で紹介した〈WOODPECK V〉(ベネトウ・ファースト40.7)の航路図。静岡県・古宇(こう)から父島を目指した。伊豆半島・下田を回航後に東進しているのは、蛇行した黒潮を避けるため。また、往路では孀婦岩(そうふがん・そうふいわ)を回航している 。この航海は、南下する停滞前線にぶつかってしまい、荒天降雨に。600マイルの往路は、ほぼアップウインド、4日14時間50分かかった(そんなケースは珍しいそうです(笑))。

 

 

©(一財)日本水路協会承認 第2021003号(航海用電子参考図ニューペック)

 

●文章で解説、二見港の入港ガイド

入港路の詳細を紹介する。小笠原諸島とは、北部に父島、兄島、弟島などからなる群島と、南部に母島、姉島、妹島、姪島などからなる群島を合わせた総称。イミグレーション(出入港管理)の施設は父島に集中するため、日本へ入国する艇は、まずは父島への入港をおすすめする。

北部群島は北から弟島、兄島、父島と並んでおり、最も大きな父島は比較的視認しやすい。入港する二見港は父島の北部にあり、ここは緯度経度をしっかりプロットして進入したい。 大きく開いた二見港の入り口は、北部に緑ブイ(二見港浮標 No.3/緑光、4秒に1閃光)、南部に赤ブイ(二見港浮標 No.2/灯火なし)の間を通航。

夜間は二見港丸山灯台(白光、4秒に1閃光)へ向かって東進するのがベター。天候にもよるが、昼間は双眼鏡などがないと視認は難しい。

緑ブイを西(左舷)に見て回頭し北北東へ。湾内にある大型商船用のムアリングブイ3基の西を通航。2基の防波堤を越えた奥が、ビジター係留岸壁となる。 

 

 

●連続写真で見る、入港の目線

〈WOODPECK V〉の艇上から、入港の目線を紹介。入港時は曇りで霧も多く視界良好とはいえなかった。写真は父島を正面にとらえた瞬間だ 

 

 

先に緑ブイを視認。先の入港路イメージよりも、〈WOODPECK V〉は北側から進入した

 

 

緑ブイに接近。200mmの望遠レンズで撮影。夜間は緑光、4秒に1閃光が入港の助けになる

 

 

同時に赤ブイを視認。同じく200mmの望遠レンズで撮影。緑ブイとの距離は約0.3マイル(約550m)ほど

 

 

東進時、12時に見える二見港丸山灯台。昼間は視認が難しい。夜間は白光、4秒に1閃光

 

 

大型商船用のムアリングブイ3基。西側を通航しよう

 

 

貨客船〈おがさわら丸〉の桟橋を西に見ながら進入。防波堤の奥がビジター係留岸壁だ。写真左に映るのは〈ははじま丸〉

 

 

湾奥の一文字防波堤にスターン着けした2艇は、小笠原ヨットクラブの所属艇。この2艇を目指して進もう。係留岸壁はこの一文字防波堤の西(左側) 

 

 

〈WOODPECK V〉の艇上。正面に見えるのがビジター係留岸壁。左手に見える黄ハルの艇は、ダイビングサービス「KAIZIN」のダイビングボート 

 

 

係留岸壁側から〈WOODPECK V〉を見る。急に晴天ですみません。別の日に撮影 

 

 

父島の三日月山展望台から二見港を撮影。一文字防波堤との位置関係を確認しよう。手前の岸壁が、ビジター係留岸壁。この日は、2艇のビジターが停泊している。左が〈WOODPECK V〉 

 

 

二見港を中心にした島内マップ。おいしいお店や見どころは、また別の機会に♪

 

 

〈WOODPECK V〉の陽気な皆さん。静岡県の古宇から小笠原へやってきた。左から白根英路オーナー、竹内裕一郎さん、小野 新さん、伏見利明さん、久保 純さん、そして、見送りに来てくださったオケラネット(KAIZIN)の山田和子さん。UW旗を手に♪ 


航行中にアマチュア無線「オケラネット」で通信していれば、オケラネットの山田さんが出迎えに来てくださるかもしれない。また、着艇後は、小笠原ヨットクラブの関係者が来てくださり、水道(利用料1,000円)やゴミ出しについての説明をしてくれる。

島内の水道水は貴重なので、ホースでじゃばじゃばと艇を洗うのはマナー違反。バケツに溜めた水で洗おう。ゴミの回収もあるが、基本的にゴミは持ち帰るつもりで。また、小笠原海上保安署の海上保安官も様子を見に立ち寄ってくれる。問題があればいろいろ相談しよう。島内には、修理に長けたセーラーもいらっしゃる。

などなど、無事に着艇できたならば、あとは体の汚れを落として、最高最強の父島ライフを楽しみましょう♪

 

(文・写真=Kazi編集部/中村剛司)

※関連記事は月刊『Kazi』2021年9月号~12月号にも掲載予定。バックナンバーおよび電子版をぜひ 

 

オケラネット 洋上に広がる友好の環

古宇ヨットクラブ

 


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