ドイツのハンゼグループの新ブランド「RYCK(リック)」。そのファーストモデルである「RYCK 280」の日本1号艇で、待望のインプレッション取材が実現した。
センターコンソールを備えたスタイルを採用し、フィッシング、クルージングなど、マルチパーパスに使える性格に仕上がっている。
船底部にも注目いただきたい。階段状の段差が二つ入ったステップトハルで、走行中に空気を取り込むことによって抵抗を減らす効果を図っている。
取材艇はスズキ製300馬力船外機の1基掛け。最高で40ノットに及ぶ、スピード感あふれる走りを楽しむことができた。高速走行時の安定性も高く、快適に過ごすことが可能だ。
ヘルムステーションの後ろには、シンクとバーベキューコンロを備えたウエットバー。テーブルをはさんで、3~4人が座れるL字形シートが配置されている。後ろ側の背もたれを倒すと、フルフラットにすることも可能だ。
シートの座面下には、冷蔵庫が設置されている。太陽の下での楽しいひとときが想像できるだろう。
ヘルムステーション周り。取材艇は、シムラッドのマルチファンクションディスプレー、FUSIONのオーディオシステム、バウスラスターといったオプションを多数装備しており、それらのコントロール部もここに収まっている。ドライバーズシート(右側)の左には、独立したナビゲーターシートという配置
取材艇はオプションのTトップを装備した仕様。Tトップや後部シートのあるなしなど、レイアウトはいくつかのバリエーションが用意されている。エンクロージャーを展開すると、ご覧の通り、雨風をしのげるスペースが生まれる。
船首エリアをサンベッドとして活用することも可能だ。こんなサンシェードもオプションで用意されていて、のんびりとくつろぐには最高だろう。一方で通路幅も余裕があり、釣り目的での機能性も十分に高いと思われる。
RYCK280は、このサイズながらにして、十分すぎるほどの船内空間を備えている。取材艇はVバースを備えた設定で、大人2人が楽々横になることが可能だ。釣り道具やアクティビティー用品の保管場所として割り切ってしまうような設定もある。
入り口を入って左側には、電子レンジを装備。
右舷側には、個室トイレが設けられている。手洗いも独立しており、このサイズのボートとしては十分すぎるほどの余裕がある。
なんといってもこのサイズなので扱いやすく、抜群の走行性能も魅力。ハンゼグループが満を持してリリースしたブランドとあって、いろいろな部分でとてもよく考えられていることがうかがえる。ボーティングの楽しさを広げてくれる1艇といえるだろう。
(文=舵社/安藤 健 写真=松本和久)
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RYCK 280
●SPEC
全長:9.16m
ハル長:8.80m
全幅:2.81m
喫水:0.91m(エンジン搭載時)
排水量:2.7t
清水タンク:88L
燃料タンク:300L
エンジン(船外機):スズキDF300
※最大350馬力まで搭載可
(問い合わせ)
ウインクレル
TEL: 045-681-0104
https://yacht-w.com/
RYCK Yachts
https://www.hanseyachtsag.com/ryck/
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