あずあずが体感!実釣で試すジャイロの実力

2024.02.01

システムの小型化、DC電源での駆動などによって、23フィートのボートにすら搭載可能なアンチローリングジャイロ「シーキーパー」。横揺れが抑えられることは広く知られているが、それが実釣においてはどんな利点を生み出すのだろうか。今回、愛艇で普段から東京湾で釣りを楽しむ森安正樹さんと、13代目アングラーズアイドルであり、毎日のようにフネに乗るという、あずあずこと神野 梓さんに、真夏の東京湾で実釣を通してシーキーパーの実力を体感してもらった。

 

シーキーパーの輸入代理店、アフロテックが所有するヤマハ・ファスト23。桟橋に係留中にジャイロを作動させると一生懸命ボートを揺らしてもびくともしない。機会があれば、ぜひ体感していただきたい

 

世界的に大きなシェアを獲得しているアメリカのシーキーパー社のアンチローリングジャイロ。今回のデモ艇に搭載されていたのは、23~30フィートクラスのボートに対応できる「シーキーパー1」

 

ジャイロはフネの中央付近にマウントするのが効きがいいようで、このファスト23の場合は、カディの扉を開けてすぐのところに設置されていた。シーキーパーは水冷式なので、冷却水経路が必須。施工はプロに頼む必要がある

 

ジャイロの立ち上げに80アンペア程度使うので、専用のバッテリーシステムを組む必要がある。立ち上がってしまえば、必要な電力は15アンペア程度なので、オルタネーターの発電量でまかなえる

 

操作パネルまわり。基本的にオンにしっぱなしとなるので、電源を入れたあとはほぼ操作することはない。現在の使用電力のほか、ユニットの温度なども表示されている

 

この日は真夏の東京湾でマゴチを中心に、青ものやシーバス(スズキ)などをねらおうと出港。シーキーパーの実力を試せるような海面を求めてポイントへ向かう。高速で走っている際にはジャイロの効果を感じることはほぼない。若干、旋回半径が大きくなるかもしれないとアフロテックの人が言っていたが、「前もって聞いていても体感でわかるほどの差は感じない」(森安さん)とのこと

 

海面がダバダバとしているエリアで、あずあずは船首でシンキングルアーを投げる。「船首で投げてても揺れが少ないですね。安心して投げられます」という言葉の通り、ほとんどバウデッキから降りずに投げ続けている

 

船首であずあずがルアーを投げ、森安さんがフネをコントロールしながら、ポイントを流していく。効果を実感するために、たまにジャイロのスイッチをオフにしてみる。と、ここで森安さんが何かに気づいた様子。

「ジャイロをオフにすると、エンジンを同程度の回転数で進めようとしたときに押し戻されるというか。ジャイロで横揺れを抑えることで直進性が増して、エンジンのパワーがむだなく伝わっている感じ」

そのほかにも、船首が潮下に落ちにくい感じもするとのこと。

 

結局、この日はポイントを転々としながら1日頑張ってみたが、真夏の東京湾は渋かった。途中、ルアーを交換する場面でも、「ルアーを交換するときとかに、ずっと下を向いちゃったりすると、ちょっと気持ち悪いかもってことがたまにありますけど、今日は揺れないから大丈夫」とあずあず。揺れが少ないということは、ゲストを乗せるときにもいいのだろう。

 

――1日釣りをしてみてのあずあずの感想は?
フネそのもののことは私にはよくわからないんですけど、今日はフネが全然揺れなくて、陸に上がったときのあの揺れを感じなくて。フネで釣りをしたあとって結構ヘトヘトになることもあるのに、そういうのがなくて、1日釣りしたのにめちゃくちゃ元気! あと、結構海面がダバダバしているところもあったけど、船首で立っていても怖いとは思いませんでした。

――釣りをしているときのメリットは感じました?
SLJで根魚なんかをねらうときは、絶対に底を取らなきゃ、まず釣れないんですけど、ずっとフネが揺れていると、なかなか底が取りづらくて。そうするとジグをどんどん重くして対応しなきゃならなくて、余計に釣れないっていうことがあるんですけど、フネが揺れなければジグも小さいままで底が取れるから、釣果にはつながりやすいのかなと思いました。今日もずっと軽いジグのままでいけました。

――すごくメリットを感じているようですね?
揺れないってすごく釣りやすくなると思うし、体勢が安定するからキャスティングもしやすくて、飛距離もしっかり出せました。全然違うと思います。釣れなかったけど(笑)。

 

ということで、あずあずも絶賛のジャイロ、導入にはそれなりのコストはかかるけど、フネの性能が大きく変わり、これまで行けなかったところや、できなかった条件での釣りもできるようになるのかもしれない。検討する価値は十分にあるだろう。

 

シーキーパーは、現在施工している最小サイズが23フィートで、大型は100フィートオーバーまで、あらゆるサイズ、タイプのフネに搭載可能。ちなみに23フィート設置のもので、本体価格は350万円ほど(2023年9月時点)。バッテリーシステムなどを含めるとプラスアルファの費用になる。まずは、ジャイロがどれほど横揺れを抑制し、それがどんなメリットをもたすものか、機会があればぜひ体感していただきたい

 

興味のある方は、以下にお問い合わせを

シーキーパーの日本正規代理店
アフロテック
TEL:045-774-1474
MAIL:info@aflotech.co.jp

 

神野 梓(じんの・あずさ)
あずあずの愛称で人気の13代目アングラーズアイドル。伊勢湾をホームに、毎日のようにフネに乗って海に出て、仕事もプライベートも釣りを楽しんでいる、超釣り好き女子。SNSYoutubeもチェック!

 

森安正樹(もりやす・まさき)
元釣り雑誌編集長を経て、現在はアウトドアライターとして活躍。友人と共同所有するマイボートで、東京湾での釣りを楽しむ一方で、渓流釣り、雷魚釣りなどにも精通している

 

(まとめ=BoatCLUB編集部、写真=山岸重彦/舵社)

 

※本記事は月刊『BoatCLUB』2023年11月号に掲載された記事から抜粋して再掲しています。興味のある方は、最新刊バックナンバー、および電子版も、ぜひご覧ください。

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