出航から1カ月、全航程の40%をクリア
一人乗りで大阪~サンディエゴの太平洋横断航海を成功させた辛坊治郎さんは、現地時間6月22日、愛艇〈カオリンV〉(ハルベルグ・ラッシー39)とともに日本に向けてサンディエゴから再び出航した。トップ写真はサンディエゴから再出航した瞬間の様子。
出航からちょうど1カ月(31日)が経った日本時間7月23日夜時点の位置は、ハワイ諸島の西方約1,500kmの海域。
この1週間も非常に安定した貿易風帯に乗っていて、多くの時間を日本に向けての追い風となる東寄りの風の中で走れている。1日あたり100マイル以上の距離を走る日がほとんどだった。
現在位置は古野電気の辛坊さん応援ウェブサイトで、ほぼリアルタイムで更新されている(PC閲覧推奨)。右端のフラッグは復路スタート地サンディエゴの位置で、そこから左上の航跡は往路の航跡だ。
単純な直線距離での計算では、この時点で全航程の40%をクリア、日本までは約3,000マイル(約5,500km)となっている。
敵は「暑さ」と「体のなまり」
サポートスタッフとの衛星携帯電話による定期連絡でも元気な声が聞かれ、フネにも大きな不具合はなさそうだが、意外な敵は「暑さ」。
それもそのはず、現在、辛坊さんが航行しているのは北緯15~16度の海域で、日本の沖縄(那覇で北緯26度)より、はるかに南。積載している水の残量と相談しながら、たまには念願のシャワーを浴びるという日々を送っている。
また、往路の出航から3カ月半、運動不足で足腰が弱ってきたと辛坊さんは語っており、キャビンジ(船室)の天井にある転倒防止用の手すりを使って、日々ストレッチを行っているとのことだ。
今後もしばらくは辛坊さんにとっての追い風(東風)が続く予報となっており、来週中には日付変更線を越える見通し。順風満帆の航海が続けられそうだ。
ハワイ周辺海域を越えると、しばらくは島もなく、見渡す限り水平線という、太平洋ひとりぼっちの航海が続く。
辛坊さんは、本格的な台風シーズン前の8月中旬から9月上旬の日本到着を目指している。
■波乱万丈の往路航海を追体験
辛坊さんの公式YouTubeチャンネル『辛坊の旅』では、7月4日から、往路航海の模様を毎日動画でアップしている。4月9日の出航以降の様子が1日1本ペースで辛坊さんの「自撮り」で報告されており、太平洋横断を追体験できる、非常に興味深い内容になっている。
4月9日から6月17日にかけて行われた往路航海のまとめ。月刊『Kazi』8月号より。禁無断転載。
(文=Kazi編集部/中島 淳)
※辛坊さんの往路航海についての詳しい記事は、毎月5日発売の月刊『Kazi』5~8月号に掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。
辛坊治郎さんの太平洋横断チャレンジを応援しよう!
古野電気の特設ウェブサイト
https://www.furuno.com/special/jp/shinbo-challenge/
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