
【水路を航く】#66/信長も愛した尾張津島の船祭りには、“夜の顔”と“朝の顔”があった
~愛知県津島市、愛西市・天王川公園、津島神社~
名古屋から電車で30分、三重県との県境近くにある愛知県津島市。
江戸時代には伊勢と尾張をつなぐ港町として栄えたこの地で代々受け継がれている尾張津島天王祭は夜と朝、二つの顔を持つ。
日没後に始まる宵祭では無数の提灯をともした巻藁舟が、津島笛の音色とともに天王川公園の水路を優雅に進む。
宵祭の航行が終わるのは午後10時過ぎ、戻ってきたフネはその日のうちに飾り付けを一新。
翌朝、対の能人形を船上の屋台上に掲げ、前夜とはまったく異なる姿にしつらえられた車楽舟が、古楽を奏でながら津島神社へと奉納に向かう。
全国の天王信仰の総本社である津島神社の祭礼として600年にせまる長い歴史を持ち、かつては織田信長や豊臣秀吉なども観覧したという記録が残っているこの祭りは、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。
(トップ画像説明)
車楽舟が天王川公園の池にずらりと並ぶ朝祭。これに鉾持(ほこもち/未婚の男子)10人を乗せた市江車(いちえぐるま)を加え、6艘が津島神社へ向かう
◆日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『BoatCLUB』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
◆第66回は、『BoatCLUB』2024年7月号に掲載された、日本三大川祭りの一つに数えられる尾張津島天王祭の風景をお届けする。
(※本記事の取材は2023年の7月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)
1年を表す365個の提灯を半円球状にともし、中央高くに1年の月数の提灯をかかげた巻藁舟が天王川を悠々と進む。 日が落ち、漆黒の空と水面に提灯が輝く。川沿いでは多数の見物客が幻想的な景色に見入っていた
日没前後、夕焼けが西の空を染める時間帯に、巻藁舟では提灯の飾りつけが進められる
左端が先頭を行く市江車。鉾持は布鉾を持ったまま池に飛び込み津島神社へ向かう
朝祭には六つの車があり、それぞれ担当する車楽舟が割り当てられる。その年の当番車のフネには翁(おきな)と嫗(おみな)の能人形が飾られている
華麗な衣装をまとった稚児は神への使い。地上では男衆に肩車され運ばれていく
米粉を丸めて揚げた「あかだ」(左)と、白米ともち米を蒸して揚げた「くつわ」(右)。いずれも非常に硬い、津島名物のお菓子
■ 松屋儀左衛門 TEL:0567-26-2075
(文・写真=山岸重彦/舵社)
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