出航から39日、日付変更線を越え、日本へ
一人乗りで大阪~サンディエゴの太平洋横断航海を成功させた辛坊治郎さんは、現地時間6月22日、愛艇〈カオリンV〉(ハルベルグ・ラッシー39)とともに日本に向けてサンディエゴから再び出航した。トップ写真はサンディエゴで撮影された〈カオリンV〉。
出航から39日が経った日本時間7月30日夜時点の位置は、ハワイ諸島の西方約3,000kmの海域。
ここまで、日本に向けての追い風となる東寄りの風、貿易風に乗って順調な航海を続けていた辛坊さんだが、いよいよ後半戦。針路を日本の向けて走ろうとすると、その貿易風が途切れがちになってきている。
現在位置は古野電気の辛坊さん応援ウェブサイトで、ほぼリアルタイムで更新されている(PC閲覧推奨)。右端のフラッグは、復路スタート地サンディエゴの位置で、そこから左上の航跡は往路の航跡だ。
ギザギザの航跡を描いた往路の航海(上)と比較すると、復路の航海(下)はスムーズな航跡で、順調に進んでいることが見てとれる。
単純な直線距離での計算では、この時点で全航程の55%をクリア、日本までは約2,300マイル(約4,300km)となっている。
無風で漂流中!?
ここ2日間は無風と微風で悩まされているようで、太平洋の真ん中で漂う日々。
7月31日のサポートスタッフとの衛星携帯電話による定期連絡では、「漂流中です」と物騒な報告からスタートして、無風時の過ごし方に触れた。
「風がないときはいろいろ破れた場所を縫ったり、割けたセールを補修したり、いろいろやることはあります」
これまで辛坊さんをアメリカからアジア方面に追い風(東寄りの風)で運んでくれた風も、このところ途絶えがちで、「あとは手漕ぎで帰る」と冗談も飛び出した。
今後は貿易風帯がが東側に広がって、10~15kt(約5.4~8.1m/s)の風が吹くかもしれないとの予報もあり、辛坊さんは喜んでいた。
現在航行しているのは、日本の沖縄より南の北緯18度周辺だが、来週以降はいよいよ日本に向けて北上する場面も出てきそうだ。
足の中指を負傷
なお日本時間の7月27日未明には日付変更線を越えており、いよいよ日本に向けての復路航海は後半戦に突入……と思っていたら、29日には足の中指をブロック(滑車)にぶつけて、「どうやら骨折したようだ」という、艇上からの心配な報告もあった。
辛坊さんは、本格的な台風シーズン前の8月中旬から9月上旬の日本到着を目指している。
■波乱万丈の往路航海を追体験
辛坊さんの公式YouTubeチャンネル『辛坊の旅』では、7月4日から、往路航海の模様を毎日動画でアップしている。4月9日の出航以降の様子が1日1本ペースで辛坊さんの「自撮り」で報告されており、太平洋横断を追体験できる、非常に興味深い内容になっている。
4月9日から6月17日にかけて行われた往路航海のまとめ。月刊『Kazi』8月号より。禁無断転載。
(文=Kazi編集部/中島 淳)
※辛坊さんの往路航海についての詳しい記事は、毎月5日発売の月刊『Kazi』5~8月号に掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。
辛坊治郎さんの太平洋横断チャレンジを応援しよう!
古野電気の特設ウェブサイト
https://www.furuno.com/special/jp/shinbo-challenge/
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