英国最大! サウサンプトン国際ボートショー(前編)

2024.02.07

英国の秋の祭典、サウサンプトン国際ボートショー(Southampton International Boat Show 2023)を訪れたサウサンプトン在住のソルト祥子さんによる現地レポート。今回、10日間で92,000人が訪れた英国最大のボートショーで、祥子さんが気になった七つのアイテムを紹介。Kazi 2月号掲載の記事を公開します。まずは、気になるアイテム1~4をどうぞ。(舵オンライン編集部) 

 


サウサンプトン国際ボートショー (2023年9月15~24日) 

 

☆Check 1
Hydrofoil e-bike manta 5

バランスとスピード維持が難しいハイドロフォイルバイクを、電動アシストで問題解消した「manta 5」。初めてでもすぐにフォイリングでき、最高20km/hで航行。カーボンの本体総重量は20kgと意外と軽く、SUVサイズの車ならトランクで運べるので、水辺での組み立ても楽々。

 

 

☆Check 2
CAPTAIN SANDY

スーパーヨットを舞台にした米国のリアリティーショー『Below Deck』のキャプテン・サンディー(右)によるトークショーは満席。「キャプテンになってよかったことは、キャプテンになったこと(笑)。女性ロールモデルとしての質問をよくされるが、女性を意識したことはないし、雇い主も性別でなく私の能力を買っている。ブリッジ人材を目指す女性には、学べることは全て経験し学んで、と言いたい」とサンディー。

 

 

☆Check 3
Fairline Squadron 58

ワールドプレミアのフェアライン・スコードロン58は、最近よく見るハル後部が左右に開くタイプ。ポート側にストールをセットすれば、ギャレーからカウンター越しに一続きのエンタテイメントプラットフォームになる。スイムプラットフォームとアフトコクピットの仕切りがガラスで、より広々とした空間を演出。

 

 

☆Check 4
Timothy Long

エレン・マッカーサーに影響を受け、15歳でブリテン島を単独一周。18歳でプロとしてフランスのフィガロ3クラス一人乗り外洋レースを完走した。セーリングだからこそ習得できた全体像を見る力やメンタルの強さを活かし、ソリテア・デュ・フィガロの2024年大会出場を目指す若者。2,000マイルの外洋一人乗りワンデザインレースだ 

 

 

趣向を凝らした各エリア

英国最大のボーティング&ウオータースポーツの祭典、それが「サウサンプトン国際ボートショー(以下、サウサンプトンBS)」。2023年9月15~24日の10日間の開催期間中、週中の荒天にもかかわらず92,000人の訪問客を迎え、サイズも形もさまざまな650艇が展示された。街の中心の入場口から13世紀の城壁づたいに海辺の公園まで70,000㎡以上の会場には、以下のようなゾーンが設けられた。 

ウオータースポーツゾーンには、SUPやカヤック、ウインドサーフィン、フォイリングボードなどの水遊び&関連用品が目白押し。ミニプールでの体験ダイビングや今回初登場のビーチヘブン&ウオータースポーツレイクでのSUP体験は、インストラクター付きで無料。隣接する仮設ビーチには休憩や砂遊びする親子の姿も。午後2~3時にはアイスクリームの無料配布あり。 

ディンギーゾーンには、トッパーやハートリーボート、フュージョンなど、万人に乗りやすくトレーニングに適したディンギーが勢ぞろい。チャンドラース(船具店)はボートショー価格狙いのお客でにぎわう。 

美しいクラシックディンギーが並んだクラシック&デイボートゾーンでは、1974年の映画『ツバメ号とアマゾン号』に実際に使われた〈ツバメ号〉や、主人公の一人、ティティ・ウォーカーを演じたソフィ・ネヴィルの姿も。フットワークが軽く冒険心をくすぐるトレーラブルボートの展示や、伝統的な造船工法やロープの特殊な結び方を体験できるワークショップもあった。 

マリン関連で思いつくもの全てが見つかるエリアが、メイフラワー・パーク&オーシャンホール。屋外エリアには水上オートバイやリブボート、モーターボートといった小~中型のウオータークラフト、船外機やマリーナオペレーターなどが、屋内ホールには、計器や関連アクセサリー、セーリングホリデー会社やスクール、RYA(英国王立ヨット協会)などの協会、インテリア、保険、ボートクラブなどが並ぶ。 

サウサンプトンBSの定番ギネス・バーでは生バンドを聴きながら家族や仲間が集い、キーサイド・レストランではオン・ザ・ウオーター・ステージの水上ジェットショーを見ながら食事できるのもいい。幼児のプレイエリアも海テーマでかわいかった。 

 

 

中世の城壁に沿って設置された展示会場。92,000人の来場者でにぎわった 

 

 

ウオータースポーツゾーンのミニプール、SUPで遊ぶ子どもたち。隣接する人工ビーチも大人気 

 

 

後編に続きます!

 

(文・写真=ソルト祥子、写真=サウサンプトン国際ボートショー)
text & photos by Sachiko Sault, photos by Southampton International Boat Show

※関連記事は、月刊『Kazi』2024年2月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ

 

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Sachiko Sault

英国のヨット環境を経験したいと、2004年に英国サウサンプトンに移住。娘たちが10歳を過ぎる頃から、セーリングが好きになるようあれこれ仕向けているところ。本業は翻訳家。

 


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