日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
第19回は、『ボート倶楽部』2019年8月号に掲載された、神奈川県・横浜みなとみらい21を取り上げる。
※本記事の取材は2019年5月に実施しました。
神奈川県の横浜駅を出て南東側に進むと、海辺に高層ビルや大型商業施設、遊園地などが並ぶ「横浜みなとみらい21」がある。一般公募で付けられたその名が示すように、このあたりには近代的な建物が多い。中でも高さ296メートルの超高層ビル「横浜ランドマークタワー」は横浜のシンボル的存在で、展望フロアからは、天気がよければ遠く伊豆大島まで見わたすことができる。
転じて夜になれば、周囲のビルや遊園地の観覧車の光がきらめき、周辺を航行するフネのライトが夜の海に浮かぶ。さらに眼下には、埋め立て地にいくつもの水路が縫うように巡っているのも見える。大型客船や水上バス、屋形船が行き交う横浜みなとみらい21周辺は、陸からはもとより、海から訪れても楽しめる場所だ。ここからボートで10分ほどの距離にある、首都高速1号線と並行して走る入江川沿いには、ずらりとフネが係留されている。
古くは海岸線だったこのあたりには、現在もさまざまなフネが並び、海と生活が密着していることを思わせる。みなとみらい21の近未来的な景色と時代が止まったかのような景色が隣り合うのを見ていると、ちょっと不思議な感じがした。
(タイトル写真説明)
観覧車やホテル、大型商業施設など、横浜みなとみらい21を象徴する建物がずらりと並んだ景色。左端に写る帆船〈日本丸〉の後ろに立つのが、横浜ランドマークタワー
日が沈むころ、横浜ランドマークタワーの69 階にある展望フロアには、多くの人が夜景を楽しみにやってきていた。近代的なビル群が光り輝く景色は、見る者を圧倒する
■ 横浜ランドマークタワー
大型クルーズ客船などの発着場所になっている大さん橋。芝生が広がる屋上スペースは24時間開放されている
入江川にはさまざまなフネが係留されている。みなとみらい21とは対照的なレトロな雰囲気が漂う
東神奈川駅から徒歩8分の好立地にある「Dマリーナ」。首都高速と並行して流れる入江川沿いに保管艇が係留されている。レンタルボートも利用できる。
■Dマリーナ
横浜港内にある米軍施設からタグボートが出航していた。後ろに見える橋は横浜ベイブリッジ
(文・写真=舵社/山岸重彦)
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