東京オリンピック・セーリング競技の日本代表選手紹介リレーが始まりました。トップバッターは、日本で一番選手層の厚い男子470級の岡田奎樹/外薗潤平(トヨタ自動車東日本、トップ画像右上/九州旅客鉄道、トップ画像右下)です。インタビュー、プロフィール、応援メッセージをお届けします。
Men's Two Person Dinghy
男子470級
岡田奎樹/外薗潤平
「目標は変わらず金メダル。いい結果を残せるチャンスがある」
■道具を追求した1年間
この1 年はレースの機会がなく、トレーニングの傍ら道具の選択に多くの時間を費やした岡田/外薗。練習パートナーのアビームやベネッセチームも参考にしつつ、自分たちに合った道具を追求し、ほぼ決まったという。
岡田「マストはしなやかさで選びました。メインセールは市販のN12−、ジブは言えないです(笑)。センターボードはちょっと硬いかもしれないですね」
道具が多分にものをいう競技ではあるが、自分たちのセーリング感覚は鈍っていないか。
岡田「レースではスピードで集団形成するより、大局を見ながら自分たちの置き場所で勝負していくことが多かったので、その感覚は遠のいているんじゃないかと思います」
約1年ぶりの実戦となった2021年3月の470級世界選手権(ポルトガル・ヴィラモウラ)は、総合11位で終えた。
岡田「昨年3月の世界選手権が延期になると同時にスペインがロックダウンすることになって、船を放置したまま出国しないといけなくなって。船には水もたまって悲惨な状態で、今回はそれを使ったので道具選びの成果は確かめられませんでした。欧州勢は代表選考のため一番いい船を持ち込んでいて、メダルレースに残った人たちはほぼ新艇。だから、レース感覚を取り戻しに行った感じです」
外薗「反省点は久しぶりのレースで、相手に対して勝つポイントや、O旗が揚がってパンピングコンディションになったときの感覚のズレがありました。接戦の感覚などはしっかり思い出せましたね」
2019年の470級世界選手権での岡田/外薗
■金メダルのチャンスは十分
岡田が大学4年生だった2017年、全日本470級選手権で2人は初めてチームを組む。海外からトップチームが来るなか、2回ほどしか練習しないままで勝てるとは思っていなかったという。
外薗「ちょっとでもいい順位を取れればいいな〜くらいの気持ちでしたね」
そこで勝ち、潮目が変わった。五輪に向けて本格的にチームを始動し、日本で最も層の厚い男子470級のトップに躍り出た。厳しい戦いが続く中、チームの雰囲気は外薗が和らげてくれるようだ。
岡田「外薗さんのいいところは頑張り屋さんなところ。気分にムラがなくて常にポジティブ。周りにいい影響を与えて、チームのムードを作ってくれる人です」
外薗「(岡田は)ヨットのセンスはもちろん、レース中に熱くなったときでも心は冷静。周りがよく見えていて、どんな状況でも広い視野を持っていますね」
2年前に日本代表に内定した直後のインタビューで、岡田は自分たちの実力は世界のトップ7〜10位あたりで、金メダルも狙える位置だと話した。
岡田「今年の世界選手権の印象だと、軽風はトップ3。それもぎりぎり3位ではなくて、一番速いし、一番上手にやりくりできて、手堅く3位以内に入れる。トラピーズするくらいの風になったらトップ3に絡んでいけるだろうなって感じです。この前は強風はなかったので分からないですが、概おおむね変わっていないと思いますね」
岡田にとっては高校から、外薗にとっては大学時代から夢見た五輪が迫る。
岡田「やっぱりレースをして、結果を残すことが楽しみです。いい結果を残せるチャンスが十分ある」
外薗「レースも含めて、まだ経験したことがないのでどんな雰囲気なのか楽しみですね」
2 人には自信がある。“金メダルを取れる”という自信だ。突っ走れ、おかほか!
【スキッパー】
岡田奎樹(おかだ・けいじゅ)
●所属:トヨタ自動車東日本
●出身:福岡県
●年齢:25歳
●身長/体重:170cm/64kg
●競技歴:20年
●経歴:福岡ジュニア、別府ジュニア➡佐賀県立唐津西高校➡早稲田大学
●五輪出場歴:初
【クルー】
外薗潤平(ほかぞの・じゅんぺい)
●所属:九州旅客鉄道
●出身:鹿児島県
●年齢:30歳
●身長/体重:173cm/73kg
●競技歴:15年
●経歴:鹿児島市立鹿児島商業高校➡日本経済大学
●五輪出場歴:初
【応援メッセージ】
Kazi誌が企画した日本代表への応援メッセージの一部を掲載します。
・最高の舞台楽しんでください!!応援しています!(kaho.k/23歳)
・金メダル期待しています!!!頑張ってください!(のぐ/23歳)
・メダルとってきてーー!!!!(り/21歳)
・江ノ島の海で滑走してください。夢がかなった。その先の夢もあるでしょう。夢を与えて。夢を得て。どんな結果でも楽しみです。(カモメに。。。/53歳)
この記事は、現在発売中の『Kazi』8月号を再編集したものです。ぜひ本誌『Kazi』もお買い求めください。
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(文=森口史奈/Kazi編集部 レース写真=矢部洋一 選手顔写真=濱谷幸江/日本セーリング連盟)
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