ヤンマー × 日本セーリング連盟|オフィシャルパートナー契約を締結

2024.05.22

日本セーリング連盟(JSAF)とヤンマーホールディングス(以下、ヤンマー)がオフィシャルパートナー契約を締結したことが、5月21日(火)にジャパンスポーツオリンピックスクェア(東京都新宿区)で行われた記者会見にて発表された。日本を代表するグローバル企業であるヤンマーが、セーリングに対してますます大きな支援・サポートを行っていくということは、とても大きなニュースといえるだろう。

 

(文=舵社/安藤 健 写真提供=日本セーリング連盟)

 

JSAFでは、これまでも多くの企業や団体からサポートや支援を受けてきたが、組織強化と事業拡大を目指すべく、新たな体系的な協賛プログラムを立ち上げている。今回のヤンマーとのオフィシャルパートナー契約は、その新たな協賛プログラムの下での契約締結第1号となった。

(写真左/馬場益弘 日本セーリング連盟会長、写真右/村山 勉ヤンマーホールディングス スポーツビジネス室室長)

 

ヤンマーは、2012年に創業100周年を迎えた。現在は"100年企業"として、次の100年に向けてさまざまな取り組みをおこなっている。

A SUSTINABLE FUTURE」という同社のブランドステートメントが、まさにそれを表すもの。「人の可能性を信じる」「人の挑戦を後押しする」文化のもと、事業活動だけではなく、次世代育成や文化活動などに取り組んでいく──その活動のもととなり、創業者の精神やビジョンの根底にあったヤンマーの価値観が「HANASAKA(ハナサカ)」である。

これはいうまでもなく「花を咲かせる」ことに由来するキーワードであり、創業時からの理念である「人の可能性を信じて挑戦を後押しする」という意味が込められている。今回のJSAFとのパートナーシップ契約の締結も、その価値観のもとに進められたものだといえるだろう。

「海外で勝てる選手の育成」と「生涯スポーツとしてのセーリングの価値向上」を目指すJSAFと、ヤンマーの文化醸成と次世代育成の方針・方向性が合致したことが、パートナーシップの契約へとつながった。

 

今回の契約締結に伴って、ヤンマーでは大きく三つの項目における支援・協賛を行うとのこと。
①ジュニア世代・ユース世代が参加するセーリング大会への協力
②セーリング全般にかかわるJSAF全体の活動支援
③海洋環境保全にかかわるJSAFの活動支援

 

まず①について、2024年度は下記の4大会への協賛を実施する。

(1)ASAF Sailing Cup JSAF 江の島オリンピックウイーク2024(5/23~26/神奈川県藤沢市・江の島ヨットハーバー)
(2)ジュニアオリンピック(ジュニア部門:7/27~28、ユース部門2025/3/21~23/和歌山県和歌山市・和歌山セーリングセンター)
(3)令和6年度全国高等学校総合体育大会ヨット競技/第65回全国高等学校ヨット選手権大会(8/12~16/和歌山県和歌山市・和歌山セーリングセンター)
(4)第89回全日本学生ヨット選手権大会(10/31~11/4/神奈川県藤沢市・江の島ヨットハーバー)

JSAFでは、東京五輪が終わった2021年から、ジュニア/ユース世代を育成するための「HOPE育成プログラム」をスタートしている。ヤンマーは、こうした若手世代の育成に貢献するべく、特にジュニア/ユース世代の参加の多い四つの大会を重点的にバックアップする。

 

次に②について。現在、JSAFには約9,000人の会員がいるが、これは他のスポーツ団体と比べてかなり少ない数字。セーリング競技における強化のためには、その前提としてセーリング競技の普及が必要なことはいうまでもない。

これまで国内のセーリング競技では、特定の大会、特定の選手を支援するという形での協賛が多かった。しかし、今回のヤンマーとのパートナーシップ契約においては、スポーツ統括団体であるJSAFの活動そのものを支援するという点が、とても大きな特徴といえる。

また、③について。いうまでもなく、セーリングは海という自然をフィールドとするスポーツであり、風を動力としてどこまでも進んでいくもの。究極のサステナブルスポーツともいえる。そういったこともあって、JSAFでは団体の設立当時から海洋環境保全に関する活動にも力を入れてきた。

これは、ヤンマーが掲げるブランドステートメント「A SUSTINABLE FUTURE」という理念にも大きく通じる部分がある。JSAFの海洋環境保全に関する活動に対して、ヤンマーは20年ほど前からバックアップをおこなってきたこともあり、今後も継続していく。

 

ところでヤンマーでは、サッカー(セレッソ大阪)やゴルフ(ダイキンオーキッドレディースへの協賛、ヤンマー ハナサカレディースの共催)といったスポーツへの支援をおこなっていることが広く知られている。また、アメリカズカップの公式スポンサーを務めるなど、セーリングに対しても長くサポートを続けてきた。

 

「今回、単なるスポンサーということではなく、オフィシャルパートナーということで契約をさせていただきました。パートナーとして、JSAFさんと一緒にセーリング競技の普及・振興に微力ながら貢献していきたい」(ヤンマーホールディングス スポーツビジネス室/村山 勉室長)

 

また記者会見では、セーリング競技へのヤンマー独自の取り組みについても、村山さんから話があった。

 

ヤンマーサンセットマリーナ(琵琶湖/上写真)を拠点に、琵琶湖サンセットヨットクラブを立ち上げました。ここを拠点に、国際ドラゴン級で活動しているヤンマーレーシングの谷路泰博さんにもご協力いただき、若手競技者の育成のプログラムをスタートしています。育成のプログラムの中に、JSAFの実施しているトップの競技者向けの育成プログラムをご提供いただけるということで、大きく期待しています」(村山さん)
photo by Kazuhisa Matsumoto

 

「もう一つ、今年11月にヤンマーサンセットマリーナで、国際ドラゴン級のインビテーションカップを開催する準備を進めています。今回のパートナーシップ契約を通して、この大会の運営等いろいろな部分において、JSAFさんからもサポートをいただけることを期待しています」(村山さん)

(※写真は2023年の「ヤンマードラゴンゴールドカップ(イギリス・トーキー)」の様子/photo by Sportgraphy.tv)

 

今週末(5/26)には琵琶湖で人気のオープンヨットレース「ヤンマーカップ」が開催される。ヤンマーは、アメリカズカップのような世界最高峰のヨットレースだけでなく、一般セーラーに対しても広くサポートを続けてきた。

また同じく今週末には、今回のパートナーシップによる支援イベントに含まれる「ASAF Sailing Cup JSAF 江の島オリンピックウイーク2024」が江の島ヨットハーバーで開催される。

(※写真は2023年のヤンマーカップ|photo by Kazuhisa Matsumoto)

 


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