世界的に環境規制強化が進む昨今、プレジャーボートや大型船舶の世界でも、次世代エネルギーには非常に注目が集まるところだ。
そんな中、ヤンマーホールディングスとヤンマーパワーテクノロジーが協力し、3月24日より水素燃料電池を利用した実証試験を開始した。
この実証試験の開始に先駆け、トヨタ自動車製MIRAI用燃料電池ユニットなどを組み合わせた、独自の船舶用燃料電池システムを開発。自社ブランドであるEX38Aに搭載し、FC(FUEL CELL)のプロト艇と位置づけた。
プロト艇となったヤンマーEX38A。赤と黒を基調に全体的にラッピングが施されており、これが大分の海を走れば目立つこと間違いなしだろう
この実証試験艇は、国土交通省の「水素燃料電池船の安全ガイドライン」に国内で初めて正式に準拠した船舶となる。
ヤンマーグループが目指すのは、大型船にも対応できる、複数台連結可能な燃料電池システムの大容量パッケージを開発し、2025年までに運用化すること。
その実現に向けて、この実証試験では、課題の抽出と対策の評価を実施する。
【実証試験艇概要】
●船体:ヤンマーEX38A(FCプロト艇)
●総トン数:7.9トン
●全長/全幅:12.39m/3.40m
●推進出力:250kW
●燃料電池システム:個体高分子形燃料電池モジュール×2基
●水素タンク:70MPa高圧タンク×8本
●実証場所:大分県国東市近海
モーターなどの詳細な情報は公開されていないが、いったいどんな走りをするのか、気になるところだ。今後の展開を楽しみに待ちたい。
ヤンマー公式サイト
https://www.yanmar.com/jp/
(文=舵オンライン編集部)
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