月刊『BoatCLUB』で連載中の2馬力ボート釣行記「〈マルコ〉が航く」。2馬力ボート〈マルコ〉(アキレスLF-297IB/スズキDF2)に乗って、筆者・丸山 剛さんが、相棒のM嬢と一緒にあちこちを釣り巡る連載だ。
舵オンラインでは、その釣行記の内容を、かいつまんで再掲したい。
今回は、2023年9月号に掲載された、静岡県・松崎海岸沖で楽しんだジギングの様子をご紹介する。
※本記事の取材は、2023年7月に取材したものです
今回は西伊豆の松崎海岸からの出艇である。一時期だけエンジン付きのボートが出艇できなくなったことがあった海岸だが、数年前から再び出せるようになったのだ。駐車場に隣接した遠浅の海岸で、トイレもあるし、水場もある。ただ、港も隣接しているため、船の出入りには注意が必要だ。
駐車場に着くと、インフレータブルボートやカヤックを積んだ車が多数駐車されており、なかにはSUP(スタンドアップパドルボード)で釣りするための準備をしている人も。空いているスペースを使ってボートの準備を始める。ここは人家が少し離れているため、高圧電動ポンプを使って膨らますことができるのだ。
あると安心のトイレ(上)と、あると便利な水場(下)があるのはうれしい
駐車場と海岸の間には支柱が立っていて、その幅が広く取られているところから砂浜へエントリーできる
早速出艇! 北側にある岩礁帯を目指して走っていたら水深35メートルあたりでベイトの反応が魚探画面に表れたので釣りを開始することに
突然海面が騒がしくなり、魚が跳ね回っていたと思ったらすぐに落ち着いた。と思ったら、M嬢にヒット。横に走るヒキをいなして上がってきたのは40センチくらいのゴマサバだ。身が細かったのでリリースした
続くと思ったのだが、その後、ベイトはいなくなり、ポイント変更するもヒットはなし。そうこうしているうちに雲行きが怪しくなり、突然、雨が降り出してきた。この日は、何日も前から天気予報で晴れマークがずっと並んでいたため、雨具を持ってきておらず、びしょ濡れに。そこでトイレ休憩がてら一度、出艇場所に戻ることに。
日も出てきたし、そろそろ再出艇しようとしたら、1艇のシーカヤックが戻ってきた。ワラサ(ブリの若魚)が釣れて、積んでいたクーラーボックスでは入りきらないので、車にある大きなクーラーボックスに入れに一度戻ってきたという。見せてもらうと70センチくらいのワラサである。やはりベイト反応の中にはこのサイズも交じっているのだ。がぜんやる気になって再び出艇したのだった。
この日最初に入ったポイントに行き、ベイトが回って来るのを待とうと思って向かっているところでナブラが湧いた。ジグをキャストするとすぐにヒットし、グルグルと回りながら上がってきたのは35センチくらいのソウダガツオ(マルソウダ)だった
ソウダガツオを2尾釣ったところでナブラは消え、その後はベイトを探してはジグを落とす作戦に。すると今度は底のほうでヒットした
上がってきたのは50センチオーバーのゴマサバ。丸々した魚体にご機嫌である
M嬢にもゴマサバがヒット。次から次へとゴマサバが上がり、サバ祭りに♪
同じ魚でも釣れればやはりうれしいもの。食べる分だけをキープして、あとはリリース
すでにたくさん釣れているので、ヒキを楽しむ余裕もある。サバダバサバダバ♪ 海面で暴れるサバのヒキは楽しいのだ
段々とサバも釣れなくなってきて、潮止まりが近い。しかもこのタイミングで風も少し強くなって釣りにくいため、潮止まりのタイミングで沖上がりすることにした。大潮の下げ潮で戻ったので砂浜が長い。ゴロゴロと砂浜の上を転がして広いスペースまで運び、片付けをした。片付け中は晴れていた空は、車で走り出すころには雲に覆われ、高速道路に入るとドシャ降りになった。やはり早く沖上がりして正解だったのだ。今度は、秋に再訪してみたい。
松崎海岸では、水上オートバイ禁止の立て看板の隣に海岸清掃の寄付金箱が設置されている。きれいな海岸で気持ちよく出艇させてもらったので快く寄付したいものである
(まとめ・写真=BoatCLUB編集部/M嬢)
丸山 剛(まるやま・つよし)
1962年生まれ、神奈川県在住。海、山、川、湖とフィールドを選ばず全国を飛び回るプロのアウトドアカメラマン。可搬型のボートを各種乗り継ぎ、現在は2馬力ボートに落ち着いた。
※本記事は『ボート倶楽部』2023年9月号より抜粋。誌面では、筆者の視点により、より詳しい仕掛け、ポイント、釣り方などの解説が掲載しているので、気になる人は、バックナンバーや電子版、最新刊も、ぜひご覧ください。
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