ボートで日本一周⑭|奄美大島→徳之島へ

2025.01.03

ボートで日本一周したい! けど実際にはいろいろ難しいので、妄想ですることになった当企画。前回は種子島から奄美群島の中で一番大きい奄美大島へと向かった。さて、次はどこへ行こうかな?

 

【これまでの内容】

どんなボートで、どんな航程で、日本一周しよう?
ボートで日本一周⑬|種子島→奄美大島、島から島へ

 


実は、種子島から奄美大島への航程の、だいたい3分の1ほどまで来たところで、予想より風が強く、波が高くなってきたのだ。このままだといいけど、これ以上になると困るな……と思っていたら、心なしか、悪くなっているような。あぁこういうとき、複数のクルーがいて自分のワッチじゃなければ、早々に寝床に入っているのにな……とか思いながら、必死に操船する。スピードが出せないから、入港時間も気になるし、事前にいくつかピックアップしておいた避難港を思い浮かべながらも、なるべくまっすぐ奄美大島に向かいたい! との思いでステアリングを握り続けた。幸い、そこからは天候が悪化することなく、なんとか走れたのだった。それもあって、奄美大島の古仁屋港(せとうち海の駅)に入って、念願の葛西さんにお会いできたときは、本当にうれしかった!(ここまですべて妄想)。

加計呂麻島との間の大島海峡も美しい景観。アンカリングスポットが無数にある感じで、とってもよい。長期滞在して、アンカリングして遊ぶのが楽しそう♪ でも、少し先を急がねば。

さて、ここからの寄港地の選定が非常に難しいところだ。なぜならば、徳之島、沖永良部島、与論島と行きたい島が南西方向に並んでいるから。でも、ここはすべてに寄ろう! とあっさり決まる。何度も行けるわけではないので、急ぎつつも行きたいところには行くべきだ。

まずは徳之島である。南東部に亀徳港が、北西部に平土野港があり、亀徳港には鹿児島新港から沖縄県の那覇港を結ぶフェリーが発着する。実はこのフェリーに乗って、那覇から亀徳に行ったことがある。平土野港には、鹿児島本港から沖永良部島の知名港をつなぐフェリーが発着する。この二つが候補だろう。

徳之島には何人か知人がおり、そのうちの一人がダイビングサービスをしていてボートを持っているので、港事情を聞いてみた。すると、亀徳港は避難港にもなっているから、少しはスペースがあるけど、平土野港は、あまりスペースに余裕がないうえ、少し水深が浅い、とのこと。だから、自分のフネを留めている山漁港に入っていいよ、ということになった。山村湾の奥にある港だ。空きさえあれば、そしてひと声かけるなどのマナーさえ守れば、どの港もそんなにうるさくいう人はいないよ、と言ってくれたので、お言葉に甘えて山漁港に行こうっと♪ 持つべきものは知人なり。

 

知人に聞いて決めるという安直な結果となったが、普段会えない遠方の知人に会いに行けるのも、ロングクルージングの醍醐味といえる。お土産持って行こうっと♪

 

山漁港
「Sガイド画像」の山村湾のページ。山は“さん”と読む。本来は管轄の漁協に連絡するが、そろりそろりと入っていき、空いているスペースに控えめに留めさせてもらい、周りにいる人にあいさつをし、ひと言「ここ留めていて大丈夫ですか?」と伺えば、基本的にはOKとのこと。マナーよく利用して、いつまでもそうした港でいてもらえるようにしましょう。
停泊料:無料
TEL:0997-85-3060(天城町漁協)

 

日本一周を想定するボート〈BC〉の主な仕様
●全長:8.2m ●全幅:2.7m ●搭載船外機:115馬力×2 ●燃料タンク:400L ●巡航速度:約20ノット

 

(文=茂木春菜/BoatCLUB編集部)

 

※当記事は月刊『BoatCLUB』2020年8月号に掲載していた「妄想全開! 机上で日本一周」の内容を再編集したものです。

 

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