
長崎県五島列島北部、上五島の中通島(なかどおりじま)のカトリック桐教会前の超狭い水路。この狭水路をヨットによる航行に成功させた人物がいる。それが、たまちゃんこと、 玉城(たまき)一也さん。水深2m以上のラインを考えると、可航域幅はなんとわずか5m。ドイツの堅牢なヨット、デヘラー34を操船し、見事に走り抜けたそのチャレンジを紹介しよう!(編集部)
◆メインカット
photo by Kazuya Tamaki | 左側に見えるのが桐教会。広角なので広く見えるが水路の最狭部は幅19m、キールのあるヨットの可航幅は約5m程度か。急潮、追い潮の通過は厳禁だ。送電線にも注意。絶対に事故を起こさないよう注意されたい

たまちゃんの愛艇、〈マエストラーレ〉(デヘラー34)
photo by Akito Ochiai (Kazi)
カトリック桐教会 。美しき聖堂 も桐教会の魅力。1897 年建立、1958年改装
photo by Shigehiko Yamagishi (Kazi)
桐教会から狭水路を見る。この美しい景観に見惚れ、観光客はもちろん地元の方々の癒しスポットにもなっているのだ
photo by Shigehiko Yamagishi (Kazi)


(c)Google map
北から入り南下、そして西へ・・・。これが狭水路の全貌である
周到な準備で臨んだ狭水路
2023年のヨット日本一周の際、立ち寄った五島列島のことが忘れられなかった。2025年3月からシングルハンドで沖縄往復をしたのだが、その帰路に念願の五島列島を再訪した。2年前、中通島(なかどおりじま)のカトリック桐教会を陸路で訪問した際、眼下の狭水路(地図A-1)に目を奪われた。
「次に来たときは、ここを通ろう!」
これが再訪の目的だったと言っても過言ではない。ただしここを通ったという記録もなく、万一私が事故など起こせば全てのヨット乗りに迷惑をかけることになる。高台からの俯瞰だけでなく、道沿いを歩いて障害物の有無を調べ、上空の送電線、地元の人にもそれとなく尋ね、海底に転がる堤防残骸も確認。航空写真、海図とも突き合わせて最低水深2m、可航域5mのルートを決定した。万一の際、制御が効かなくなる追い潮での通過も厳禁、周到な潮読みは必須だ。
2年越しの計画は成功。水路の美しさ、教会の素晴らしさは言うまでもなく、感動的な体験だった。
カトリック桐教会前の狭水路航行の全貌!
デヘラー34の喫水は1.7m。水深2mを考えると航行可能な幅は5mほどになってしまう。周到に調査して狭水路に突入

まるで地中海のような美しい海の色。しかしその美しさに見惚れている場合ではない。岸の近くは水深が浅く危険だ

桐教会の真横を通過! クライマックスである
桐教会を通過後、振り返る。美しい鐘塔に後ろ髪を引かれる
YouTube動画!
今回紹介した狭水路航行360°動画が、たまちゃんねるにアップされた。ぜひ!
次回は、たまちゃんが走った五島列島に美しい入り江を紹介します
(文=玉城一也 写真=玉城一也 、落合明人(舵社)、山岸重彦(舵社))
※本記事は月刊『Kazi』2026年1月号に掲載されたものです。バックナンバーおよび電子版をぜひ

玉城一也
Kazuya Tamaki
下五島の奈留島(なるしま)を訪れた玉城(たまき)一也さん(左)とかおるさん。たまちゃんは、ヨット歴36 年。2023 年・日本一周、2025 年・シングルハンドで沖縄往復。伊東港が拠点。コーラ片手にのんびりするのが好き。YouTube「セイリングたまちゃんねる 貧乏ヨット乗り」公開中。
photo by Akito Ochiai (Kazi)