ヨット・モーターボートの専門月刊誌『Kazi』。2023年6月号は5月2日(火)発売です。荒天を進む〈KLCベンガル7〉(ハンフリー 54)。2015年、シドニー~ホバートヨットレースにて
cover photo by Yoichi Yabe
生きて帰る/安全対策考
外洋を航海する夫のヨットに事故があったことを知った妻が、こんなことを言った。
「海の神様、どうか夫の命を無事に陸に返してください。奪わないでください」
その艇は無事発見、曳航し帰路にありの報を聞いても、妻は防波堤から一歩も離れず待ち続けた。
陸で待つ者は祈ることしかできないかもしれないが、海上にいる我々にはできることがある。
陸で待つ者のために、あらゆるトラブルに対し経験と知識をもって立ち向かうことが。
それがシーマンシップ。荒天、落水、座礁、ディスマストに艇体破損……。
“生きて帰る”技術を今、あらためて考えます
〈たか〉佐野三治さんに聞く/ジャパン〜グアムヨットレース’92から31年
オーシャンレースで遭難し、ライフラフトで27日間漂流した後に、生きて還ってきた人がいる——。
佐野三治さん、当時31歳。漂流中に次々と仲間が亡くなり、生き残ったのは自分だけという壮絶な体験を思い出すことになるのだが、コロナ禍が収束に向かい、外洋レース復活の機運が高まる今だからこそ失敗例を継承すべきだ、と快くインタビューに応じていただいた。
考察1/艇体放棄
艇体放棄というとライフラフトでの漂流へつながるが、日本ではライフラフトが必要な近海区域以遠で船検をとっているプレジャーヨットは数十艇にすぎず、ほとんどの外洋ヨットはライフラフトを搭載していない。
今回はそんな日本の一般的な状況も踏まえて艇体放棄について考察してみよう。
考察4/エンジン点検
シーズンインの前、エンジンに関することで、最低限チェックしておきたいポイントを、プレみやざきの宮崎正弘さんに聞いた。深刻なトラブルを防ぐ意味でも、必ず確認したい。四つの段階に分けて、ステップを踏んでいこう。
実例1/ディスマスト
クルージング中に突然マストが破損してしまったら……。
想像するだけでぞっとする事態だが、そんな貴重な体験を東京都在住の〈みさご II世〉(ヤマハ33)のオーナー、吉井 寛さんに語っていただいた。
実例3/ヒヤリ・ハット体験談
楽しいセーリング中に予期せぬトラブルに巻き込まれ、冷や汗をかいた経験はないだろうか。
Facebook『ヨット遊びしようぜ!』などから募集した、誰もが体験するかもしれない“ヒヤリ・ハット”なエピソードを紹介する。
ロープを撚る、ロープを編む/結びの世界
イラストレーター国方成一さんが紡ぐ、奥深き「結びの世界」。
実践的で実用的なロープワークに長けた国方さんが、最近ロープそのものを撚っている……という話を聞いた。
仲間たちからもらった古着からロープを撚り、できあがったカラフルな自作ロープで飾り結びを編む。
楽しそうなので、早速、国方さんのアトリエに急行した。
鈴木晶友 GLOBE40/〈MILAI〉、世界一周達成!
第6レグでキールを損傷し、アルゼンチンで修理を行っていた〈MILAI〉。
2月24日に再スタートし、ブラジルとアゾレス諸島を経由して、フィニッシュ地点のフランス・ロリアンを目指した。
そして4月8日、ついにグローブ40を完走!世界一周の夢をかなえた。
全国ヨット部名鑑/長崎大学全学ヨット部
長崎県大村湾の南に位置する子々川。ここで活動するのが、長崎大学全学ヨット部、略して長大(ちょうだい)だ。かつては、全日本インカレで総合4位という成績も残した、創部70周年の歴史あるヨット部を紹介する。
海ガール「伊藤 猛さんの自作カタマランを見る!(後編)
前回、伊藤 猛さんの自作艇建造の様子を見学しに大洗を訪れたあやはさん。今回は完成間近のカタマランといよいよご対面!
ラグーン55の解説動画はコチラ↑
ニューモデル艇紹介は、ヨット「ラグーン55」(写真上)とボート「シーライン C430」 (写真下)。
シーライン C430の解説動画はコチラ↑
月刊『Kazi』2023年6月号、ぜひご一読ください。
(文=Kazi編集部)
月刊『Kazi』6月号
●サイズ:297×210mm(A4判)
●ページ数:176ページ
●価格:1,390円
●発行:舵社
※詳細およびご購入はコチラから
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