『BoatCLUB』で連載中の「突撃! マリーナレポート」は、全国のマリーナを巡り、その特徴や素晴らしさをお伝えする連載。舵オンラインでも、その一部をご紹介しよう!!
今回紹介するのは、福岡県糸島市の玄海マリーナです。
※掲載情報は、取材当時(2022年12月)のものです。
福岡県糸島市
豊かな自然を有し、ここ数年は観光地や移住先としても注目を集める福岡県糸島市。その中部にある玄海マリーナは、設立から50年以上の老舗マリーナだ。眼前の唐津湾でも釣りが楽しめるだけでなく、壱岐や対馬沖といった国内有数の釣りスポットも近い。海に出なくとも、シーサイドのデッキでくつろぐだけでぜいたくな時間が流れる、至極のマリンスポットだ。
(トップ写真説明)
豊かな自然に囲まれた玄海マリーナ。置いている艇の平均サイズは20フィート後半くらいで、フィッシングタイプが多い
近年、観光や移住先として注目を集める福岡県糸島市。豊かな緑と美しい海に囲まれ、おしゃれなカフェやレストラン、工房なども増加中の、世界的にも注目されているエリアの一つだ。また、都市部からのアクセスもよく、福岡市の中心地である天神から、糸島の玄関口であるJR筑前前原駅まで電車で約40分で、福岡空港からも電車で1本で行くことができる。
今回訪問した玄海マリーナは、筑前前原駅からクルマで10分ほど行ったところにある。50年以上前からこの地のボーティングを支える老舗中の老舗だ。ハーバーマスターの吉田浩一郎さんに話を伺った。
「去年(2021年)くらいから、徐々にフネを置きたいという問い合わせが増えてきましたが、残念ながらスペース的に置く余裕がなくてお断りしている状況です」
ボーターのほとんどが釣り目的で、壱岐島のほうまで遠征すれば、青もの、マダイ、根魚などをねらえ、マリーナが面する唐津湾でも、シロギスやアジ、サワラ釣りなどを楽しむことができる。
ヤマハマリンクラブ・シースタイルのホームマリーナでもあり、ヤマハYFR‐24を2艇配備。そのほか、マリーナ独自の2馬力ボートや手漕ぎボートもあるが、週末ともなればどれも予約が取りづらいほどの人気とのこと。
敷地内のちょうど中央にはクラブハウスがあり、シャワーや更衣室などが使用できる
落ち着いた雰囲気のクラブハウス内。窓からは、唐津湾が一望できる
広々としたシーサイドデッキは海との距離も近く開放的。この日は、ほとんど波やうねりがないうに見えるが、沖へ出れば大荒れだそうだ
「夏場は、マリーナの近くでウェイクボードをしたり、バーベキューを楽しんだりする人もいます。クルージングをする人はあまりいませんが、佐賀の呼子にも近いので、気軽にショートクルーズもできますよ」
話を伺いながら、ひと通りマリーナ内を散策してみた。天気が曇りなのが残念だが、海の透明度はかなりのもの。周辺の山々の木々も美しく、マリーナが面する波打ち際も穏やかなので、たしかにウェイクボードもクルージングも申し分ないだろう。取材日は平日だったが、これだけ穏やかなら出ているボートもいるはずだ。吉田さんに、今日は何艇か出ているのか聞いてみると、「いやいや、とんでもない。岬を越えたら結構荒れていて、とてもじゃないけど走っていられませんよ。今日は北風なんでこのへんは大丈夫ですけど、西が吹くと波打ち際は結構シャバシャバになります」。
そんなものかと思いながら沖のほうを見ると、カキの養殖イカダが並んでいる。秋から春にかけてシーズンを迎える船越漁港のカキ小屋のものだそうだ。カキが育つということは、栄養も豊富な海なのだろう。しかし、その半面、アオリイカが産卵するための海藻が減り、個体数が激減していると吉田さんは話す。豊かな自然を有する糸島でさえも、そうした環境変化の影響は免れないのかと思うと、ますます自然保護の意識を高めていかないといけないなと思う。
船台に載せたボートは、ホイールローダーで運び、スロープを使って上下架する
オーナー専用のバーベキュー場。マリーナに依頼すれば、海の幸山の幸を堪能できる
シースタイルのクラブ艇であるヤマハYFR-24が2艇。近く、AX220が導入されるとのこと
吉田さんが作ったというピザ窯。バーベキューをする際には、焼きたてのピザが楽しめる
玄海マリーナ
(文・写真=幸野庸平/『BoatCLUB』編集部)
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