神奈川県・相模湾の最奥部に位置する大磯港。2021年4月、同港ではプレジャーボートも寄港できるビジターバースの供用が始まり、相模湾を活動の拠点とするヨット、ボートが訪れる人気スポットとなっている。そのキーワードは「食」。魅力的な飲食店が複数あるということで、注目を集めているのだ。どんな寄港先なのか、あらためて紹介しよう。
同ビジターバースは、神奈川県の「大磯港活性化整備計画」に基づき、賑わい創出と地域の活性化の拠点となる港を目指す事業の一環として設けられたもの。大磯町は古くから文人や政治家に愛された別荘地で、史跡も残り多くの観光客が訪れる町である。その海の玄関の大磯港を多くの人に利用してもらおうと、岸壁の一部がプレジャーボートも接岸できるよう整備された。
ビジターバースのすぐ近くには大磯港賑わい交流施設「OISO CONNECT」があり、おしゃれなカフェやユニークな地元産品のお店が入るほか、以前からある獲れたて魚料理が人気の食堂も健在。楽しく過ごすためのメニューが充実していることも、寄港地として人気を呼ぶ要因だろう。
ビジターバースから数十メートルの場所にある新しい施設。1階にはショップとシラスの販売所、2階にはカフェがある。建物の一角は漁協の水揚げ場だから、新鮮な魚介類が手に入るのはごく自然なこと。
OISO CONNECT 大磯コネクト(大磯港賑わい交流施設)
〒255-0003 神奈川県中郡大磯町大磯1398-6
TEL:0463-20-8237
https://oiso-nigiwai.com/
「OISO CONNECT」の1階で営業するショップ。地元で獲れた鮮魚や農産物、加工食品などを販売するほか、フィッシュバーガーなどの軽食も楽しめる。なかでも人気なのは鮮魚で、悪天候時を除く毎朝、地元漁協の定置網で獲れた魚を格安で販売している。
左上:地元の住民にも人気の鮮魚販売。右上:その日の水揚げから選ばれた魚で作るフィッシュバーガーと地元のみかんを使ったソフトクリーム。左下:野菜、干物などの加工食品、パンやスイーツなど、ほとんどが地元産。右下:支配人の川島瑞樹さん
OISO CONNECT SHOP & SNACK
営業時間/9:00~17:00 定休日/毎週水曜日(祝日・GWなどを除く)
TEL:0463-20-8237
「OISO CONNECT」の2階はグリルとパンケーキが評判のカフェレストラン。ソフトドリンクから軽食、ランチ、パーティーメニューと多彩にそろうが、何といっても、店内またはテラス席から一望できる相模湾の眺めが素晴らしい。
左上:「丸ごと海の湘南パエリア」(2,480円)、「鮮魚のフィッシュ&チップス」(900円)。右上:「大磯しらすのペペロンチーノ」(1,380円)、「牛ひき肉赤ワイン煮込みボロネーゼ」(1,480円)。左下:「湘南シーフードカレー」(1,580円)。右下:「フレッシュ苺のチョコフォンデュパンケーキ」(2,080円)
OISO CONNECT CAFE grill and pancake
営業時間/9:00~18:00(LO17:00) 定休日/なし TEL:0463-73-5560
https://oisoconnectcafe.com/
10年以上前からこの場所にあり、近隣住民に親しまれている食堂。取材した日の刺身定食(2,200円)は、アジ、スズキ、シメサバ、ハナダイ、ヒラメの刺身に生シラス、アジフライといった内容。いずれも朝獲れの新鮮な魚ばかりだ。
地元はもちろん、土日の昼は観光客の来店も多く、行列ができることも珍しくないので要注意だ。17:00からのディナータイムは宴会コース料理の予約にも対応する。右下は料理長の脇 達也さん
めしや大磯港
営業時間/11:00~14:00(LO13:30)、17:00~21:00(LO20:30)
定休日/水曜日 TEL:0463-62-1755
タイトル写真の矢印が示しているのが大磯港内におけるビジターバースの位置で、その場所を写したのがこの写真だ。船長30mまでのプレジャーボート(2隻の場合は12mまで/無動力船、PWCは不可/水深D.L.-5mまで)を受け入れる。
大磯港内は作業船や漁船の運航が多いため、安全確保の観点から、利用はすべて事前予約制(先着順)となる。予約の受け付けは利用日の30日前から前日の15:00まで。ただし、土日祝日・年末年始(12月29日~1月3日)は受け付け業務を行っていない。メールまたはファクスで所定の申請書を提出し、管理者からの回答が得られると予約完了。利用当日の手続きや料金の支払い方法などにも規定があるので、詳しくは下記のサイトで確認していただきたい。
ビジターバース自体はコンクリート製の岸壁に防舷材が配されたシンプルな作りで、利用の際は大きめのしっかりしたフェンダーの用意を推奨。漁港などに一時係留の経験のある艇なら問題なく利用できるはず。給水・給電(200V&100V)施設の完備もうれしいところだ。
利用料金はフネのサイズにより異なるが、一例を挙げると、船長7.0m超~7.5m以下で24時間までが2,490円(神奈川県在住者の場合)で、4時間未満の場合は半額。日をまたぐ停泊も可能だが、連続利用は10日間が限度となる。
(問い合わせ先)
大磯町 産業環境部 産業観光課 みなと推進係
TEL:0463-61-5719
ビジターバースの利用方法の詳細は→こちら
実際にビジターバースをヨットが訪れたときの様子。右上の赤い矢印の場所には給電ポストがある。
(文=舵オンライン編集部)
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