1カ月で全航程の約40%走破
4月9日の大阪出航から約1カ月が経った、太平洋横断中の辛坊治郎さんと愛艇〈カオリンV〉(ハルベルグ・ラッシー39)の5月8日6時38分(日本時間)現在の位置は、本州の東方3,600km。同日3時過ぎには日付変更線を越えたと思われ、すでに日本の海上保安庁の管轄海域も出て、まさに「太平洋ひとりぼっち」の航海となっている。単純計算で大阪から目的地のアメリカ・サンディエゴまでの総航海距離の約40%を走ったことになる。
現在位置は古野電気の辛坊さん応援ウェブサイトで、ほぼリアルタイムで更新されている(PC閲覧推奨)。
4月末には、台風並みに発達した低気圧に遭遇し、風速50~65ノット(25~35m/s)、波高10m近くという大嵐に遭遇したが、直近の1週間は高気圧の中を走っており、比較的落ち着いた状況。嵐の中で破損した箇所の修理なども行っているようだ。
また、出航してから荒れ模様が多かったため、使用していなかったウインドベーン(風に対して一定の舵角を維持するアナログ自動操舵装置)のテストも行い、その有効性を確信したとのこと。5月3日から5日にかけては風向にも恵まれ、大きく東に距離を稼いでいる。
5月7日14時のサポートスタッフとの衛星携帯電話による定期連絡でも元気な声が聞かれた(以下は抜粋)。
「今晩、日本時間の(午後)8時くらいに日付変更線を通過しそうです。ずっと雨が降っています。いろんな本を読んでいると、高気圧の周辺にはずっと雲が多くてずっと曇りだって話はよくあるいみたいです。雨といっても本格的な雨ではないです」(辛坊さん)
(※実際には、このあと高気圧帯の無風~微風につかまり、日付変更線の通過は翌日に持ち越された)
現在は6ノット(約11km/h)程度のスピードも出ているようで、順調に航海中。今後数日間は落ち着いた天候が続きそうだ。
(文・写真=Kazi編集部/中島 淳)
※辛坊さんの関連記事は、現在発売中の月刊『Kazi』2021年6月号にも掲載しています。ご興味のある方は、全国書店またはこちらからお求めいただけます。
あわせて読みたい!
●「太平洋横断中/辛坊治郎さんのヨットを徹底解剖①」記事はコチラ