かつての大航海時代、帆船交易の主軸を担ったスパイス。帆船とスパイスは切っても切れないもの。
そんななか、バリッバリの現役帆船乗り山本 海さんがブレンドした、「船乗りのスパイス」を発見。種類は、「オリジナル」、「魚に合うやつ」、「野菜に合うやつ」、「海のパエリア」の四つ。ネーミングもなかなかよい。
このスパイスを使った料理は、帆船乗りの仕事ゆえ、これはそのままヨット乗りの都合に基づいてあらゆることが考えられているのだ。
そこで、あらためて考えてみる。
ヨットのギャレー料理に求められること。
・水はたくさん使えない
・フライパンひとつでフィニッシュしたい
・短時間でおいしい料理を作りたい
これらを見事オールクリア。それがスパイス。
ヨットの上で、水をそんなに使わず、フライパンひとつで、短時間に、しかも「本格的で、おいしい!」とクルーに喜ばれる料理ができてしまうのだ。スパイス料理は油を多く使わなくてもうまみを引き出しやすいので、食器洗いの水も少なくて済む。
もう、まじで完璧。
では、早速その行程を紹介しよう。
船乗りのスパイスのパッケージ裏に、レシピが書いてある。この通り作ればオッケーです。
【材料/2人分】
・鶏モモ肉……2枚
・油……少々
・付け合わせの野菜……お好みで
・船乗りのスパイス「オリジナル」1/2袋(1袋50g。これで鶏もも肉4~6枚はいける)
スパイスがしみ込みやすいように、鶏モモ肉をフォークでザクザクと刺す。やるせない憤りをフォークの先に乗せて。
船乗りのスパイスを遠慮なく絡めていく。躊躇は禁物。惜しみなく、何物にもとらわれず。
ビニール袋に入れて一心不乱にモニュモニュするというアイデアも。こっちのが楽。
スパイスをなじませた鶏肉は、思うままに30分から1日寝かせて、味をしみ込ませる。
火を入れる前に、フライパンに油を入れる。湧きあがる情熱を抑えつつ、火は肉を入れてから。
冷たいフライパンに、そっと鶏肉を投入。まずは、中火で7分じっくりと。
中まで火が通ったら、踵を返すように肉をひっくり返してさらに5分……。
ラストはフタをしてしっかりと蒸し焼きに。たまならい音と匂いがギャレーを包む。
鶏肉のパリパリスパイス焼き、完成です!
好みの野菜も一緒に焼いて、きれいに盛り付ければ、本格的なスパイス料理の花が咲く。 付け合わせの野菜にも、焼く前にスパイスをパパっと。すげえうまくなる。
船乗りのスパイス
■内容量:1袋50g
■種類:オリジナル、魚に合うやつ、野菜に合うやつ、海のパエリア
■価格:各550円、送料1件360円
●オリジナル
使用スパイス:パプリカ、コリアンダー、ペッパー、ガーリック、オレガノ、タイム、クミン、チリペッパー、ガラムマサラなど
調理例:タンドリーチキン、イカのスパイス焼き、スパイシーシュリンプなど
●魚に合うやつ
使用スパイス:オレガノ、バジル、ホワイトペッパー、ブラックペッパー、ガーリック、塩など
調理例:白身魚のソテー、イカのホイル焼き、アクアパッツァなど
●野菜に合うやつ
使用スパイス:オレガノ、バジル、コショウ、コリアンダー、フライドオニオン、ガーリック、パプリカ、塩など
調理例:サラダドレッシング、ビザソース、スパイシー野菜炒めなど
●海のパプリカ
使用スパイス:オレガノ、バジル、コンソメ、チリ、ターメリック、ガーリック、パプリカ、コショウなど
調理例:パエリア、アクアパッツァ、海鮮おつまみなど
これは海さんの家のスパイス棚。ホールスパイス、パウダースパイスが所狭しと並ぶ。
フレッシュスパイスは冷蔵庫などにに保存。
スパイスがギャレー料理の幅をひろげる。 これってかなり、まじみたいですよ。
(文・写真=Kazi編集部/中村剛司 写真=舵社/宮崎克彦、中村剛司)
※関連記事は月刊『Kazi』2021年3月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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