【水路を航く】#53/神奈川県・横浜ベイエリア みなとみらい編
江戸時代、鎖国していた日本にペリーが来航し、1854 年に「日米和親条約」を 締結した地、横浜。日本の歴史に残る重要な一歩が、ここ横浜という港街から踏み出されたとも言えるだろう。
そんな横浜は現在でも、ウオーターフロントのみなとみらい地区を中心に発展し続けている。2020年、32階建ての新しい横浜市庁舎が建設され、翌年には日本初となる都市型循環式ロープウエー「ヨコハマエアキャビン」が完成。ゴンドラが高層ビルの間に浮かぶさまは、ハッとするような斬新さ。
ビルの狭間を縫うように張り巡らされた運河を活用し、ボートの上から眺めるその景色もまた非日常感に満ちて魅力的だ。
(トップ画像説明)
運河上に支柱が立っているため、ロープウエーの真下をボートで航行できる。中央奥の超高層ビルは高さ296メートル、横浜のシンボルともいえる横浜ランドマークタワーだ
◆日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
◆第53回は、『ボート倶楽部』2023年6月号に掲載された、横浜ベイエリアの水路の風景をお届けする。
(※本記事の取材は2023年の3月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)
桜木町駅と運河パークをつなぐヨコハマエアキャビンは片道630メートルあり、一番高い場所は約40メートル。大観覧車「コスモクロック21」とのお得なセット割チケットもある
日没後はゴンドラに鮮やかな色のライトがともる。長時間露光することで、空の上に光の道ができた
臨海鉄道の廃線跡地に作られた遊歩道、汽車道には、当時のレールや橋が残っている。運河の上に架かるこの鉄橋の下をボートでくぐ りぬけてみた
航海練習船として活躍した帆船〈日本丸〉は国指定重要文化財。桜木町駅前に展示係留されていて、内部を見学することもできる。夜はライトアップされ、「太平洋の白鳥」と呼ばれた船体が夜景に映える
(文・写真=舵社/山岸重彦)