日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。
舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲します。第23回は、『ボート倶楽部』2019年11月号に掲載された浜名湖(静岡県)の風景をお届け。
(※本記事の取材は2019年6月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください。)
静岡県の西部に位置し、南側の今切口で太平洋(遠州灘)と連接している浜名湖。 淡水と海水が混ざり合う汽水湖で、アサリやカキ、ノリの養殖などが、古くから盛んに行われている一方で、遠州灘のシラス漁など、外洋での漁業の拠点にもなっている。
湖畔の新居町にある狭い水路には、大きな網が積まれたシラス漁船や、湖内で使用する小型の和船がずらりと並び、漁師町の風情が色濃く漂う。
(トップ画像説明)
新居町にあるクランク状の水路には、湖内の漁で使用する小型の和船がビッシリと係留されていた。漁師町の風情を感じさせる光景
夜が明ける前、弁天島の南にある赤鳥居の前を小型の和船が滑走していった。奥に見える大きな橋は今切口にかかる浜名バイパス
網を上げる大型の巻き取り機を積んだシラス漁船は2隻一組。同型のフネが対になって舫われている。真夏に最盛期を迎える遠州灘のシラス漁は春から秋まで行われる
浜名湖と遠州灘とをつなぐ今切口。この日は穏やかだったが、潮の流れが速い場所で、ときには大きな波が立ち、外海へ出ることが難しい日もある
東海道新幹線をこんなに間近で真下から眺められる場所は、日本全国を探してもなかなかない。ただし、この橋の周りは流れがあるため、同じ場所にとどまっているのは難しいので要注意
頭が当たりそうな低い橋を抜けていく。正面に見えるのは旧国道にかかる橋。トンネルを抜けるように ボートは航行する。平均水深5メートルの浜名湖の南部には、人が立てるほど水深が浅い場所もある。また、周辺の水路には低い橋がいくつもあることもあって、喫水が浅く、低いセンターコンソールを装備したカロライナスキッフは、このあたりのクルージングに適している。
カロライナスキッフの輸入販売も行う「ボートクラブカナル」は浜名湖のボート遊びの拠点として人気のマリーナで、2020年の11月にはオートキャンプ用のサイト「浜名湖カナルオートキャンプ場」もオープン。キャンプとボート遊びを同時に楽しむことができる、おすすめスポットだ(同マリーナは海の駅でもあるため、ビジター利用も可能)。
また、熟練ガイド付きのチャーターフィッシング&クルージングや、シーカヤック、SUPなどの水上アクティビティーに、ピザ窯教室や竹灯籠作りなど、お楽しみメニューも多彩!
(文・写真=舵社/山岸重彦)
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