【水路を航く】#56/カラフルなクルーズ船でレゴの国へ ~愛知県名古屋市・中川運河
昭和の中ごろまで、愛知県名古屋地域の水上貨物輸送に大いに活用されていた中川運河。
船舶用に造られたこの運河は、名古屋駅の南から市街地を抜け、名古屋港へとつながっている。
現在は貨物船の運航はなく、土日と祝日のみ運河クルーズ船が就航し、休日を楽しむ乗客でにぎわう。
その出発地点であるささしまライブから終点の金城ふ頭までの間には四つの乗船場が設けられ、終点の金城ふ頭にはレゴランド・ジャパンやものづくり体験ができるメイカーズ ピアなど観光スポットも満載。
カラフルに彩られたフネで、運河沿いの観光スポットや歴史的建造物を眺めつつ、高層ビルが立ち並ぶ街中から湾岸エリアへと、穏やかな水上のひとときを楽しもう。
(トップ画像説明)
写真中央が中川口通船門内に入る運河クルーズ船。名古屋港から名古屋駅方面に向かって進んでいる。上空から見ると、カラフルな船体がより一層際立つ
◆日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
◆第56回は、『ボート倶楽部』2023年9月号に掲載された、名古屋の水路クルージングの風景をお届けする。
(※本記事の取材は2023年の6月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)
通船門を通過し、中川運河を北上するクルーズ船をドローンで上空から撮影した。ガーデンふ頭の観覧車が遠くに見える
名古屋港へ向かう中川運河ルーズの出発地点、ささしまライブの乗船場。中川運河は橋があるため、背の高い大型のフネは航行できない。金城ふ頭まで行く場合は、ガーデンふ頭でより大きなフネへと乗り換える
中川口通船門を通過し、名古屋港へ入ると一気に大きく開けた海の景色が広がる。ここからは大型のクルーズ船が就航しており、展望デッキで開放的な眺望と気分を楽しめる
終着点の金城ふ頭へは、三つの斜張橋・名港トリトンの一つ、名港中央大橋を抜けていく。海神ポセイドンの息子トリトンと、3を表す英語triから名付けられた
ガーデンふ頭には、名古屋港の水先案内船がたくさん係留されている。奥に見えるドーム状の屋根は、シャチやイルカのパフォーマンスも人気の名古屋港水族館
名古屋港が一望できる高さ53メートルの展望室や海洋博物館もある名古屋港ポートビルと、南極観測船〈ふじ〉(船内見学可能)。ともに海を学べる施設だ
(文・写真=舵社/山岸重彦)