日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
第30回は、『ボート倶楽部』2019年7月号に掲載された東京都・隅田川の風景をお届けします。
※本記事の取材は2019年の5月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください。
川辺の風景を魅力的に演出する橋たちを巡る
江戸時代には、重要な水運ルートとして活用されていた隅田川。
東京都北区にある岩淵水門で荒川から分岐し、東京湾へと流れ込む現代の隅田川は、川沿いが整備され、東京を代表する水辺となっている。
川の流れに対して直角に交わる橋は、写真の構図に大きく影響する。橋の形状も独特なものが多く、それ自体が被写体として面白い。
下流部に架かる橋梁には個性的なものが数多く、川と橋、ボートが織り成す景色は、被写体として魅力あふれるものだった。
(トップ画像説明)
吾妻橋
浅草付近と東京スカイツリーのある押上方面とをつなぐ吾妻橋。その西側、浅草側からの眺め。青い空をバックに金色に輝くオブジェと琥珀色の窓ガラスがまぶしいアサヒビール本社ビル。ビルの上には東京スカイツリー、手前には隅田川を航行するボートなど、見どころは盛りだくさん
中央大橋
1994年に完成した、隅田川に架かる橋の中では2番目に新しい橋。橋の上部から放射状に延びるワイヤが印象的。佃島に立つ高層マンションとともに、近代的な景観を作り上げている
新大橋
橋の上にある柱と橋げたの下部が黄色に塗られており、とても目立つ新大橋。夜間もきれいにライトアップされる。現在では東京都が管理する隅田川の12橋において、ライトアップ演出を楽しむことができる
両国橋
古くは武蔵国と下総国の国境であったため、この名が付いたといわれる両国橋。隅田川は屋形船や水上観光船が多く航行しており、曳き波に注意が必要
松尾芭蕉ゆかりの地である隅田川のほとりにある江東区芭蕉記念館。すぐ近くの芭蕉庵史跡展望庭園には、川を眺めるような姿勢で芭蕉翁像が鎮座している。閉園後、像は回転しライトアップされる
吾妻橋の下流にある簡易船着場。船内には最低1人は残っていなければならないが、40フィート以下の小型船舶の乗降用に一時的に使うことができる。隅田川には同様の場所が勝鬨橋、言問橋、駒形橋付近にもある
(文・写真=舵社/山岸重彦)
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