【水路を航く】#40/宮崎県・高千穂峡 ~神々の住まう地 大自然の力、神秘の峡谷
宮崎県の北端、九州山地に位置する高千穂町。
天孫降臨の地として伝わる高千穂郷には、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)による国生み神話や、天照大神の天岩戸神話をはじめとする数々の伝説や神話が残り、“神々の里”とも称されている。
そのシンボルともいえる高千穂峡は、正式名称を五ケ瀬川峡谷といい、五ケ瀬川の名もまた神々の里にふさわしく、『古事記』や『日本書紀』に伝わる五瀬命(いつせのみこと/神武天皇の兄)の神名からつけられたのだという。
中でも、多くの観光客が訪れる町一番の見どころである高千穂峡は、ボートでアプローチすると、その神秘的な美しさを全身で堪能することができるのだ。
(トップ画像説明)
その切り立った崖は、太古に阿蘇山の火山活動によってできたもの。高いところで100メートル、平均80メートルの断崖が7キロも続く、大自然が生み出した雄大な造形美。貸しボートを利用すればさらに迫力満点! 高千穂峡を象徴する真名井(まない)の滝を、真下から見上げることができる。
高千穂峡を水上から遊覧する手段は貸しボートのみ。水中にある立ち木が見えるほど、水の透明度は高い
天照大神が隠れた天岩戸をご神体として祀る天岩戸神社。天岩戸が見える「天岩戸遥拝所」へは、神話の話などを交えつつ、神職の方が案内してくれる
■天岩戸神社 TEL:0982-74-8239
やおよろずの神が、天照大神を天岩戸から出すための相談をしたとされる天安河原(あまのやすかわら)は神社から500メートルほど上流にある。洞窟の中には願い事を書いたたくさんの石が積まれている
高千穂郷八十八社の総社、高千穂神社
秋の収穫後、高千穂の村々で行われる夜神楽は、夜を徹して33番の神楽を奉納する。高千穂神社では毎晩、33のうち「手力雄(たぢからお)の舞」「鈿女(うずめ)の舞」「戸取(ととり)の舞」「御神体の舞」を奉納している(見学料1,000円/小学生以下無料)
■ 高千穂町観光協会 TEL:0982-73-1213
日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。
第40回は、『ボート倶楽部』2022年5月号に掲載された、宮崎県西臼杵郡高千穂町で出会った水辺の風景をお届けします。
(※本記事の取材は2022年の1月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)
(文・写真=舵社/山岸重彦)
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