西に抜ければ日本海、東に抜ければ瀬戸内海の周防灘/本州と九州の分かれ目=関門海峡、九州側から見た景色

2024.09.25

【水路を航く】#45/関門海峡 福岡県・北九州市門司 ①/門司港レトロと彼岸花

本州の山口県・下関と九州の福岡県北九州市門司をつなぐ関門橋。

関門海峡の九州側である門司港周辺は、ノスタルジックな気分に浸れる空気が満ち、初めて訪れてもどこか懐かしさを感じさせる町並み。

明治から昭和初期にかけての建造物が多く残るそのエリアは、「門司港レトロ」と称され、外国との貿易で栄えた時代の面影を宿し、観光客でにぎわっている。

珍しい跳ね橋の奥にある門司港からは多彩なコースの観光船が就航し、海からの眺めを気軽に楽しむこともできるとあってこちらも大人気だ。

 

(トップ画像説明)
2023年に開通50周年を迎えた関門橋。門司側にある和布刈(めかり)神社から撮影。その岸辺には、秋を彩る真っ赤なヒガンバナが咲き誇り、澄み渡る空と海の青に映えていた

 

コンテナを積んだ運搬船やタンカーなどが頻繁に行き交う日没直前の関門海峡。沈みゆく夕日に照らされて、海面が金色に輝いていた

 

高さ141メートルの関門橋をくぐる。大潮のときには潮流が10ノットを超えるときもあるので、小型艇で航行する際は潮流を調べるのが吉!

 

関門海峡の東端、部埼(へさき)は浅瀬が多く海上の難所となっている。高野山の僧侶、清虚がこの場所で火をたいて、海の安全を祈願したという

 

門司港駅(上)と周辺の町並み(下)。大正時代の姿に復元された駅舎はネオ・ルネサンス様式で、1988年に鉄道駅舎として初の国の重要文化財に指定された。点在するレトロな建造物を見物したあとは、関門海峡ミュージアムで体験型展示を楽しむのもいい

 

日が沈み、上空が藍色に染まるころ、太陽の残照で地平線近くの空だけが薄紅に色づく。この時間でもフネは頻繁に航行し、対岸の下関の明かりが美しく浮かび上がっていた

 

しんもじ海の駅にもなっている新門司マリーナは関門海峡から15分、瀬戸内海の穏やかな海域、周防灘に面している。北九州市の都心からほど近い新門司地区にあり、クラブハウスやサービス工場など、快適なマリンレジャーを楽しむための諸施設も充実している
新門司マリーナ TEL:093-481-0099

 

日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。

第45回は、『ボート倶楽部』2022年10月号に掲載された、関門海峡で出会った水辺の風景をお届けします。 (※本記事の取材は2022年の7月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)

 

(文・写真=舵社/山岸重彦) 

 


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