東京2020 DAY2|須長由季が上マークをトップ回航!

2021.07.26

東京2020オリンピック・セーリング競技2日目は、前日と同じ4種目(レーザー級:南里研二、レーザーラジアル級:土居愛実、男子RS:X級:富澤 慎、女子RS:X級:須長由季)が実施された。北東から東の風10〜15kt、うねりと潮のある海面だった。

 

今日の注目は、女子RS:X級の須長! プレーニングコンディションでの好調ぶりを披露した。第4レース(今日の1レース目)は下1スタートを決め、即タックで右海面に伸ばす。フレッシュウインドに加えてパフもつかみ、トップに躍り出た。2マーク以降も2-4-3と上位をキープし、3位でフィニッシュ。続く第5レースで5位、第6レースは12位で終え、初日の18位から10位まで順位を上げた。トップ回航について「最高に気持ちよかったです!」と振り返った(下記コメント参照)。

 


女子RS:X級の第6レースのスタートシーン

 

昨日は1レースのみの実施となったレーザー級。今日の最初のレースとなった第2レースは、南里が1上マークに10番台でアプローチ。レイラインでタックを返すも、風上には複数の艇がおり、潮の影響もあって南里はレイラインから落とされてゆく。艇団が途切れず、マーク際で入れる場所を探しているうちにたちまち10艇以上に抜かれ、順位は33位まで下がってしまった。今日は2レースとも6レグで、30-33とした南里は総合31位となった。

 


レーザー級で三つ、スター級で二つのオリンピックメダルを持つレジェンドのロベルト・シェイド(ブラジル)。第2レースでは南里と同様に上マークの混雑に巻き込まれて30位まで順位を落としたものの、残りの5レグで巻き返して10位まで順位を上げた。第3レースでは中盤からフリートをリードし、上位を維持して4位フィニッシュ。やはり強い!

 

レーザーラジアル級の土居愛実は、今日のレースを10-23とし、総合13位となっている。

 

男子RS:X級の富澤 慎は「今日は褒められるところはないです」というように、今日の2レース目の第5レースでまさかのDNF。男子RS:X級のフィニッシュウインドウ(トップ艇フィニッシュからのタイムリミット)は10分で、ぎりぎり間に合わなかった。総合13位から16位に後退した。

 

レース3日目の明日は、49er FX級、レーザーラジアル級、レーザー級、フィン級、49er級の5種目を実施予定だ。

 

日本代表選手のコメント

■女子RS:X級 須長由季
「まさか1上をトップで回れると思ってなくて、最高に気持ちよかったです! でもそんなに甘くはないので、その後、競り合って抜かれちゃいましたけど。1年間は海外に行ってなかったので、自分の力がどのくらいかというのが分からなかったんですけど、プレーニングコンディションだったら世界のトップの選手と戦えるんだなって分かって、その後のレースも自信を持ってできました。下1スタートは狙ったといえば狙ったんですけど、直前にAPが揚がって、風も上がってきたのでチューニングを強風用に変えました。そうしたらスタートフラッグが揚がってシークエンスが始まっちゃったので、急いでスタートラインに戻って、という感じで実は見通しが取れていなくて。分からないまま取り敢えず下に行って流して。そうしたら最後詰まっちゃって、ちょっとバタバタ。(タッキングして)結局、そのポートタックがクリアで右海面が良かったので突っ込めて、不幸中の幸い、ラッキーって感じでした」



 

■レーザー級 南里研二
「ああいうミスをしないようにしないといけなかったのにケアできていなくて。スタートラインと上マークの潮の流れが違くて、予想以上に上マークのほうが潮が速かった。それはレイラインを走っているときに違和感を感じないといけなかったんですけど、余裕がなかった。明日は3レースあるので、そういうミスをしないようにしたい。ちゃんとスタートからレースをできれば、ああいう順位(10番台)で回航できるし、スピードはトップ選手よりは落ちるかもしれないけど、あの順位はいけると思うので、明日もしっかりレースしたい」



 

■男子RS:X級 富澤 慎
「今日は本当に苦しい1日でした。(第5レースのDNFについて)レース展開上、第1グループと第2グループで大きく風が違うところを走っていて、僕は第2グループのトップあたりにいたんですが、第1グループはいい風をつかんで先に行っているのは見えていたので、これちょっとやばいかもしれないなという状態だったんですけど、ぎりぎりでタイムリミットが来てしまって。タイミリミットに引っかかるなんて人生で2回目で、まさかここでやるとは自分でも正直びっくり。3日目で本当にいいレースをしないと絶対取り返しがつかないんで、明日レイデイを挟んで、一番攻めた状態でレースをしたいと思います」



 

■レーザーラジアル級 土居愛実
本日はコメントなし



 

DAY2 RESULTS(暫定)

■女子RS:X級
 須長由季 総合10位/27艇(17-24-11-3-5-12)
■レーザー級
 南里研二 総合31位/35艇(27-30-33
■男子RS:X級
 富澤 慎 総合16位/25艇(10-21-11-16-DNF 26-16)
■レーザーラジアル級
 土居愛実 総合13位/44艇(16-9-10-23

 

DAY3 最初のレースのスタート予告信号(予定)

■49er FX級 江の島 12:00
 出場:山崎アンナ/髙野芹奈
■レーザーラジアル級 藤沢 12:00
 出場:土居愛実
■レーザー級 藤沢 12:10
 出場:南里研二
■フィン級 鎌倉 13:00
 出場:瀬川和正
■49er級 江の島 14:45
 出場:高橋 稜(レオ)/小泉維吹

 


明日からレースが始まる49er級の高橋 稜(レオ)/小泉維吹。左端は、日本セーリング連盟オリンピック強化委員会の山田 寛コーチ

 

●成績表
https://tokyo2020.sailing.org/results-centre/

●トラッキング(日本セーリング連盟 オリンピック応援サイト内)
https://www.jsaf.or.jp/tokyo2020/

●東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト
https://olympics.com/tokyo-2020/ja/

 

(レポート=森口史奈/Kazi編集部 写真=矢部洋一)

 


関連タグ

ヨットレース

ヨットレース の記事をもっと読む